■ 7・27「パナソニック包囲デモ」が闘いぬかれる(大阪)

7・27「パナソニック包囲デモ」が闘いぬかれる 〈大阪〉

 

炎天下のなか集会が闘いぬかれる

 

 「吉岡さんをパナソニックの職場に戻し、人権侵害・不当な雇い止めをなくす会(吉岡会)」の呼びかけで、7月27日、「パナソニック包囲デモ」が闘いぬかれた。
 午後1時、京橋駅の近くにある京橋公園で集会が開始される。日本基礎技術争議当該の本田福蔵氏が司会者として開会宣言を行なう。
 はじめに、「吉岡会」事務局次長の田中氏は、「最高裁は2009年、パナソニックが吉岡さんの内部告発に対して報復として行なった黒テントでの『みせしめ労働』と『雇い止め解雇』を『不法行為』と認定しました。中央労働委員会では、現在、一切の審理が終了して、命令待ちという状況です。また、パナソニックPDPが団体交渉を拒否した第二事件、本社であるパナソニック株式会社が団体交渉を拒否した第三事件も、中労委にあげています。パナソニックの社員が使用者性そのものを使い、吉岡さんや他の社員たちを強制的に別の会社への雇用に変更し、賃金を下げました。パナソニックの社員は、この事実の有無を問うた弁護士の質問に対して『そこそこやりました』と明言しています。このことが中労委のなかで確定的な証拠になりました。第二事件、第三事件が、9月に中労委で争われます。引き続きみなさんのご協力をお願いしたいと思います」と訴えた。
 次に、パナソニックPDP争議当該である吉岡力氏が発言に立つ。吉岡氏は、「野田首相は松下政経塾出身で、野田政権はパナソニック政権とも言われています。パナソニック争議にかちぬいていくことが、大変重要な局面になっていると思います。パナソニック争議、『非正規』争議、厳しい闘いだからこそ、そこから活路を見い出すことができれば、ひどいやり方を無くしていく大きな力になると思います」「自分の闘いを韓国の労働者たちが非常に注目しています。韓国の労務政策に大変影響するのがパナソニック争議だと思います。日韓連帯ということで徹底的に闘いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います」と訴えた。
 続いて、参加団体の紹介ということで、吉岡氏が「釜ヶ崎労働者の会」や韓国からの参加者の紹介を行なった。「吉岡会」からパナソニックPDP争議へのカンパ要請が行なわれ、いよいよデモに出発だ。

 

パナソニックに対するデモが爆発

 

 午後1時15分、大阪ビジネスパーク(OBP)にあるパナソニックの象徴=「ツイン21・OBPパナソニックタワー」へ向け、吉岡氏が最先頭に立ち「パナソニックは不法行為を謝罪し、吉岡さんを職場に戻せ!」と書かれた横断幕を掲げ、デモが開始される。
 デモ行進中に吉岡氏は、「政府が公表した『日本再生戦略原案』は、期間の定めのない雇用を基本とするのではなく、『有期雇用』を基本とするもので、今パナソニックが行なっている労務政策そのものではないでしょうか」「パナソニックは数万人の首を切り、さらに、本社で7000人の従業員を500人から600人に絞っていくと津賀一宏新社長が言っています。従業員に対しては数万人規模のリストラを行ない、一方で役員報酬を上げ、警察官の天下りも受け入れている。従業員には痛みだけを押しつけ、7721億円もの赤字を出しておきながら役員は甘い汁を吸い続ける。こんなやり方を許してはいけないと思います」。
 デモ終了後、吉岡氏は、「私の争議は、『偽装請負』という大きな問題がありますが、職場の中での人権侵害を許してはいけない闘いだと思います。最高裁では、『報復行為は不法行為』と認められました。一人の労働者の闘いを活かす、そういう職場にしていくことが大切だと思います」「パナソニックは本当に危機的状況だと思います。これは、役員が作り出したものではありますが、労働者が人権侵害を容認してきたことも一つの要因になっていると思います。パナソニックで働いているみなさん。私は、パナソニックの職場に戻って本当に働きやすい職場にしていきたいと思いますので、この闘いをぜひ支持してください。よろしくお願いします」と訴えた。
 最後は、本田氏の掛け声で「団結ガンバロー」だ。「パナソニックに『不法行為』の責任を取らせ、吉岡さんを職場に戻すまで、団結してガンバロー!」でこの日の闘いは締めくくられた。

(反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会)