「乾坤一擲」

 

 8月3日、参院で「有期労働契約」に関する「労働契約法」改悪案の可決―成立が強行された。パート、契約社員、派遣労働者など「有期労働契約」で働く1200万人の劣悪な雇用状態を固定化し、さらには資本にとって「いつでも首切り自由」の「多様な正社員」という雇用形態を作り出すための下準備の攻撃であり、絶対に許すことはできない。
 今回の改悪は、「有期労働契約の更新が5年を超えたら無期雇用への転換の権利が発生する」としているが、資本にとっての「抜け道」はいくつも用意されている。「無期雇用に転換」されても、賃金・労働条件は「有期雇用契約」と同一にすると規定されており、「4年で雇い止め」を通告する資本もあらわれているのだ。
 この改悪にむけた労働政策審議会で「連合」は、「有期労働契約」を締結できる業務を限定する「入り口規制」を、資本の「紛争が多発するぞ」「雇用機会が減少するぞ」という「脅し」に屈服して投げ捨てた。「製造業派遣」「登録型派遣」の容認、「違法派遣=みなし雇用」の先送りを内容とする3月の「労働者派遣法」改悪の際も「連合」は「前進だ」と強弁した。政・労・使のテーブルに着くことを最優先し、劣悪な「非正規雇用」を強制する資本と闘う気のない連中にいつまでも「労働組合」を名乗らせてはならない。

(山崎)