「乾坤一擲」10月

乾坤一擲

 

 9月11日、野田政府が「尖閣諸島」(中国名・釣魚列島)の「国有化」を強行した。これに対して中国では反日デモが爆発し、韓国でも「竹島」(韓国名・独島)をめぐり、野田政府の領有権主張に抗議行動が高まっている。▼この「国有化」は普天間基地へのオスプレイ配備強行とともに、野田政府の戦争突撃にむけた凶暴性を示すものだ。野田政府は、朝鮮半島での戦争突入の準備として打ち出した「動的防衛力」構想―「南西諸島配備」で中国軍の封じ込めを狙っている。また、「領土問題」で排外主義を煽動し、労働者人民を「国家」の下の「国民」として統合し、「国家のために命をかけろ」と、戦争にむけた翼賛態勢を作ろうとしている。▼闘う労働組合は戦前の労働運動が「一五年戦争」に「産業報国会」として集約され、朝鮮・中国―アジア労働者人民虐殺に加担していった総括をかけて戦争遂行体制の構築に向けた軍事強化攻撃を許さず、「領土問題」をめぐる排外主義煽動を打ち砕かなければならない。▼そもそも「領土」「国境」「国家」といった言葉は労働者人民を分断し、団結を破壊して戦争に動員するために使われてきた言葉だ。「領土問題」で排外主義を煽って誰が得をするのかを考えれば答えは明白だ。共産主義社会には、「国境」は存在しない。したがって、労働者階級の間には「領土」問題は存在しない。闘う労働者のスローガンは『共産党宣言』の結びの言葉「万国の労働者団結せよ!」だ。(山崎)