9・26「パナソニック包囲デモ」 〈大阪〉
京橋公園で集会
「吉岡さんをパナソニックの職場に戻し、人権侵害・不当な雇い止めをなくす会(吉岡会)」の呼びかけで、9月26日、「パナソニック包囲デモ」が闘われた。午後6時45分、京橋駅の間近にある京橋公園(コムズガーデン)で集会が開始される。
司会者が開会宣言を行ない、はじめに、パナソニックPDP争議当該・吉岡力氏が、「『派遣・非正規雇用撤廃連帯会議』として韓国へ行き交流してきた。韓国では『非正規』撤廃、『非正規労働』を無くしていこうと闘っている。日本の労働運動は、韓国と比べると弱いところがある。日本の労働者一人ひとりに『非正規雇用』撤廃を目指して闘うことが求められている」「今、パナソニックは本社の7000人の従業員に希望退職者をつのり解雇しようとしている。政府は『国家戦略会議』において期間の定めのない雇用『無期限雇用』を『正規』とするのではなく、『有期雇用』いわゆる『非正規雇用』を存続させるべきであるというとんでもないものを出している。橋下市長は『維新八策』において『非正規』での『同一賃金・同一労働』を述べているが、これは働いても満足に生活できないような雇用である」「『非正規労働』を無くしていく闘いをともに連帯して闘っていかなければならない」と発言した。
次に、「吉岡会」共同代表の田中氏は、「911日、第二事件(パナソニックPDP団交拒否)、第三事件(パナソニック本社の使用者責任)の中央労働委員会審議が開始されました。それに先立って第一事件の中労委の労働側委員に要請行動を行ないました。『不法行為』の救済申し立てをおこなっている第一事件は審理が終了し、年明けにも命令が出るといった状況です。労働側委員には、『最高裁での判決は、吉岡さんの有期雇用から雇い止めになるまでの間、隔離され黒テントの中で労働させられるというような一連の行為を不当労働行為であると認定した。雇い止めは有効であるという判定も一方では出ているが、吉岡さんがもう一度同じ職場で働く権利があり、救済することを要求する』と弁護団、われわれの側から訴えた。大阪府労働委員会では、パナソニックが労働者をパスコという会社からさらに安い賃金の請負会社に置き換えることを行なったことが明らかにされた。そのことを踏まえて、中労委の中でパナソニックの違法性、パナソニックPDPの違法性をさらに追及する闘いをやっていきたい。ぜひ11月13日の中労委闘争に注目していただき、会社が団体交渉に応じざるを得ない状況を作り出していきたいと思いますので、ご協力をお願いします」と訴えた。
パナソニックへの怒りのデモ
「ヤンマー闘争を支援する会」、「大阪市入れ墨調査拒否者」(なかまユニオン大阪職員支部)の発言があり、「吉岡会」からパナソニックPDP争議へのカンパ要請がおこなわれ、すぐさまデモに移る。
午後7時、大阪ビジネスパーク(OBP)にあるパナソニックの象徴=「ツイン21・OBPパナソニックタワー」へ向け、吉岡氏が最先頭に立ち「パナソニックは不法行為を謝罪し、吉岡さんを職場に戻せ!」と書かれた横断幕を掲げ、デモが開始される。「パナソニックは吉岡さんを職場に戻せ!」「不法行為の責任をとれ!」「団体交渉に応じろ!」「もらった助成金を返せ!」。デモ隊は怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
デモ行進中に吉岡氏は、「パナソニック7721億円の巨額赤字の主犯である中村邦夫前会長は1億3300万円、大坪文雄現会長は1億1300万円の2012年度役員報酬をもらっています。東京電力の赤字は7800億円と言われています。東京電力とほぼ同じ赤字を出した経営者は、経営者として失格ではないのでしょうか。三〇代の労働者の首を切る。こんなことを行なっている企業があるでしょうか。黙っていてはならないと思います。本社では、7000人から5000人にしぼっていくといわれています。パナソニックの労務政策と日本政府の出している『非正規雇用を基本とする』という雇用のあり方が連動していると思います。パナソニックの行なっている従業員の首切りに対して、私たちは断固闘っていきたいと思います。吉岡力を職場に戻せの闘いを私はあきらめません。パナソニックで働いている皆さんも、いろんなこと、嫌なことたくさんあると思いますが、負けないで頑張ってほしいと思います。意地でも自分の働いてる職場、やめないでください」と訴えた。
デモ終了後、「ひめじや(ステンレス鎖・金具製造卸業)当該」、「建設技術研究所損害賠償訴訟原告」から闘いへの支援が呼びかけられた。
最後は、吉岡氏の音頭で「団結ガンバロー」だ。「労働争議で闘っている争議団の全員勝利をめざして、団結してガンバロー!」でこの日の闘いを締めくくった。
闘う「非正規雇用」労働者と連帯し、「労働者派遣法」撤廃―「直接雇用」「無期限雇用」をかちとろう。「労働契約法」改悪―「有期労働契約」法制化攻撃を粉砕しよう。
〈反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会〉