1・29 中労委パナソニック第二・第三申立事件第3回調査

1・29中労委パナソニック第二・第三申立事件 第三回調査

 

 1月29日、中央労働委員会において、「パナソニック第二・第三申立事件第三回調査」が行なわれた。
 控え室にはすでに支援が集まり、調査開始を待っている。1時30分開始予定からだいぶ時間が経過し、2時少し前、弁護士から報告がなされた。「これから調査に入るが、今日の取り組み方として、今回弁護団から新たな和解の方向を申し入れた。これまで職場復帰で申し入れしてきたが、色々な状況を考慮し、妥当な解決ということで考えた。最高裁判決においては、リペア作業の強制ということに関しての謝罪はない。しっかりと謝罪させて、繰り返さないという誓約をさせるため交渉に引き出す。職場復帰をあえてしないこととして、この解決案を代理人に持ち帰ってもらう。先日キャノンの解決があった。偽装請負の争議は吉岡氏が先陣を切って始めたことであり、しっかりとした成果をかちとるのは非常に大事なことだ。どんな結果が返ってくるかにもよるが、引き続き支援をお願いしたい」。
 2時少し過ぎに「調査」が開始された。弁護士から、今回の進行について中労委に対し「パナソニックPDPは、パナソニックの経営方針として撤退が表明されている。だからこれまでパナソニック関連会社への職場復帰を一貫して求めてきた。そしてもうひとつ、リペア作業の強制という『不当行為』に対して謝罪を求めてきた。パナソニック側は慰謝料については供託しているが、謝罪についてはまったくしていない。争議が長期化していることから、現時点での妥当な解決を考え、本日中労委を通して会社側に申し入れてもらいたいことがある。ひとつは『不当行為』への真摯な謝罪。そしてもうひとつは今後同様の行為を行なわないという誓約です」「最高裁の決定にあるように慰謝料を払えばいいだろう、という問題ではない。吉岡氏は自分と同じような人を今後出したくない、という強い思いがある。ここを約束してもらいたい」「会社として代理人ではなく判断できる人に交渉のテーブルについてもらいたい。このことができるのなら、あえて職場復帰を前提とすることにこだわらない」「会社側の準備書面で『吉岡氏が地位確認を求めたため解決できない』と書いている。異論もあるし納得できる言い分ではないが、この解決案であれば、会社側の言い分からして交渉のテーブルに着くことが正しいあり方ではないか」「キヤノンの和解も吉岡氏の争議があったからではないか。偽装請負で会社側が反省したケースもでている。根っこの部分で吉岡氏の争議の影響がでている。パナソニック側としても、解決することが不利とは言えない。苦渋の決断であることを中労委から伝えてほしい」と強く訴えた。中労委からは「結果として代理人しか出さないときはどうするのか」「最高裁判決の『不当行為』への謝罪だけでいいのか」など質問がなされたが、弁護士は柔軟に考えていくことを伝え、「これが最後のチャンスだと思う。謝罪での交渉を会社側が考えるならこちらも様子を見る」と組合側の方針を伝えた。
 続いて、吉岡氏からも発言があり、「こだわりは最高裁判決での『不当行為』への謝罪と繰り返さないという誓約。代理人にこの件を持ち帰ってもらう。『公益通報者保護法』にも底触している事案で謝罪も何も無いのはいかなるものか。パナソニックも津賀社長に替わった。パナソニックPDPからすればこの事件は『負』の事件だと思う。本気で立て直していくのなら、きちんと謝罪してほしい。このことを強く訴えたい」と中央委へ熱意をこめて訴えた。
 本日の「調査」について会社側に今回の解決案を持ち戻ってもらうことを確認し、検討期間をかんがみて次回期日を3月8日に決定し、「調査」を終えていった。
 パナソニック争議は今回大きな方向転換に踏み切り「賭け」を打った。吉岡氏は「和解金も職場復帰もいらない。中村前会長を交渉の場に引っ張り出し、きっちりとした謝罪をさせる」と言い切っている。「偽装請負」を訴えたことへの「不当行為」を認めさせ謝罪させることは、今全国で闘っている「非正規雇用」労働者の争議に大きな活路になる。パナソニック争議は正念場を迎えている。今後も吉岡氏の支援を拡大し、全国で闘う労働者の団結を固めていくためにも、3月17日に開催される全国労働組合運動交流会の春闘総決起集会へ労働者の結集を呼びかける。成功をかちとっていこう。
(神奈川県地域連合労働組合)