2・3「君が代」処分撤回!総決起集会

  10・23通達から10年! 10・23通達撤回!

2・3 「君が代」処分撤回!総決起集会

 

杉並産業商工会館で決起集会

 

 2月3日、午後1時30分から「石原・大原都教委の暴走を止めよう!都教委包囲・首都圏ネット(都教委包囲・首都圏ネット)」が主催する「10・23通達から10年! 10・23通達撤回!『君が代』処分撤回!2・3総決起集会」が杉並区阿佐ケ谷の杉並産業商工会館で開催された。この集会には現役・OBの教育労働者をはじめ約120人の労働者人民が結集した。
 主催者あいさつとして「都教委包囲・首都圏ネット」の見城氏が発言する。見城氏は、安倍政府が起ち上げた「教育再生実行会議」の委員の顔ぶれに触れ「八木、曽野、加戸、河野など右翼のメンバーをそろえている。06年の教育基本法改悪に続き、安倍は教育改悪攻撃の総仕上げをやろうとしている。基本法改悪の結果、教育現場では『体罰・いじめ』の問題が多発している。そもそも人権などを軽視する橋下・石原は『体罰』容認派だ。石原の指示の下、動いてきた都教委は『10・23通達』で抵抗する教員を締め付けてきた。繰り返される処分や強化された『再発防止研修』で新たな処分の仕方として今後、都教委は『分限免職処分』の攻撃をやろうとしている。教育問題をめぐって安倍・橋下・石原らの政治と対決しながら運動の再構築を目指そう」と呼びかけた。

 

河原井純子氏と根津公子氏が発言

 

 ≪第一部≫では、「今までの闘いを振り返って」というテーマで「君が代」不起立の闘いを貫いてきた二人の仲間が発言を行なった。
 河原井純子氏は、「03年当時、七尾養護学校に勤務していた。こころとからだの学習に都教委が介入してきた。私たちは『こころとからだの学習裁判(ここから裁判)』を闘い、現在、最高裁段階に入っている。保護者や卒業生も一緒に最高裁に対する要請行動を重ねてきている。『君が代』不起立では停職処分を受けた。停職一ヵ月の時は、学校に通い続け、停職三ヵ月の時は『雑木林、全国行脚』で北は北海道から南は沖縄まで各地での交流の活動をもってきた。『日の丸』『君が代』の問題は教育労働者だけの問題ではない。子どもたち、市民、労働者全ての問題。教育労働者以外にもつながりをつくり、あきらめずやっていきたい」と決意を述べた。
 次に、根津公子氏が発言に起った。根津氏は、「退職してから2年になるが、『君が代』問題は退職してからも闘い方はある、ということを話していきたい。04年当時は大勢の生徒たちも『君が代』に反対し不起立した。現在は子どもたちが『起立するのが当り前』と受け止めている。そうした状況を許しているのは現場の教員のあり方に、大きな責任がある。不起立する教員が少なくなって、都教委の不起立を続ける教員への攻撃はより厳しくなっていく。闘いを続ける教員への処分、『分限免職』をさせないために、勤務していた学校での情宣・働きかけ、高校等の卒業式でのビラ配り、都教委への申入れなど、強制反対の取り組みを持ち続けていこう」と呼びかけた。
 もう一人、発言の予定されていた渡辺厚子氏は本人の体調不良により中止となった。
 
大阪の闘いの報告と決意

 

≪第二部≫では、大阪の闘いの報告と決意を、「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪(ホットライン大阪)」の事務局・井前弘幸氏が行なった。
 まず、井前氏は市立桜宮高校の「体罰」問題で入学試験中止決定を押しつけた独裁的な橋下のやり方を徹底的に批判していった。そもそも、橋下・『維新の会』は教育・指導で「強制力=体罰」必要論を唱えていた。「本来は子どもの学習権を大切に考えている教員の教育活動を保障すべきなのに、教員の意見を尊重することなく、『目標を決めるのは政治(=橋下)であり、教員は全てそれに従え』とするのが彼流の『教育への政治介入』正当論だ」。次に、大阪府・大阪市で制定された「教育基本条例」「職員基本条例」下での「日の丸」「君が代」強制攻撃の実態が報告された。「2011年度卒業式、2012年度入学式では合計37人の教育労働者に不起立を理由に戒告処分が下された。そのうち被処分者7人が人事委員会に提訴し、処分撤回の闘争に起ち上がっている。また、被処分者一人ひとりの支援組織を起ち上げ、被処分者どうしの連携をはかる『グループZAZA』づくりを進めている。こうした支援の運動には被処分者も所属している教職員組合は全然動かず、『ホットライン大阪』が中心となってサポート体制をつくってきた」。そして、「卒業式を控え、『君が代』強制の教育長通達が今年も出されている。今年も処分を受けた教育労働者の中から不起立の決意を固めている仲間がいる。『3回違反したら分限免職』の『処分ルール』を適用される仲間も予想される。『日の丸・君が代』強制反対を全国の問題へと広げ、また『競争』『強制』の全国化と全面化に反対する全国共同の取り組みを目指すべく、首都圏・東京の仲間も注目と結集を」と呼びかけた。また「大阪府・大阪市は、新たに教育労働者支配・統制のため保護者・生徒を巻き込んだ『授業評価アンケート』を計画し、その『評価』も利用しながら新勤評制度の強化、またクビ=『分限免職』を進めようとしている」と警鐘をならした。

 

「分限免職」を許さないための発言、提起

 

 休憩をはさんで、≪第三部≫では、「分限免職」を許さないための発言、提起がなされた。
 都教委の「君が代」強制の攻撃を支える右翼・保守系の市民側から都議会、区・市議会に対して「10・23通達強化を求める陳情」が出される事態となっており、都議会では昨年12月6日、本会議で採択が強行されたが、この「陳情」採択反対に取り組んできた「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会(被処分者の会)」の事務局の仲間が取り組みと総括・反省の報告を行なった。
 そして、都立高校に勤務する伏見氏が「分限処分」の解説もまじえながら「分限免職」処分攻撃を許さない闘いの意義を提起した。「『分限処分』とは公務員に特有な処分で、行政当局は懲戒処分では排除できない公務員労働者に対してなされるもの。支配する側にとっては都合のいい『打ち出の小槌』のようなもの。裁判で処分を覆すことも極めてまれ。『研修の成果が上がらない』『懲戒処分を受けても再び非違行為を行なう』などを事由として都教委が狙っているのは不起立者を解雇していくことだ」。
 発言の最後には、2011年度卒業式、2012年度入学式で不起立を貫いている田中氏が「10・23から10年が経過し、2003年以降、教員になった人が職場で半数を占めるようになっている。二〇代の若い人たちにも、生徒たちにもなぜ『君が代』に反対するのかを説明していく責任を負っている。今後もともに闘っていこう」と決意を明らかにしていった。
 司会の仲間が、特別決議「『君が代』不起立分限免職を許さない!」と「『日の丸・君が代』強制反対!安倍内閣・猪瀬都政の反動教育『改革』と対決する」集会決議とを読み上げ提案する。全体の拍手で確認していった。
 そして、都立高校での卒業式でのビラまき・情宣活動の行動提起がなされ、集会のスローガンをシュプレヒコールで唱和し、集会を閉じていった。
 (東京・山谷日雇労働組合)