「乾坤一擲」

乾坤一擲 

 

 5月24日、国会で「マイナンバー法」が成立した。6月4日には「生活保護法」改悪案が衆院を通過した。「アベノミクス」の背後で国家権力が労働者人民を監視・管理し、大資本の延命のために犠牲にする攻撃が強まっている。▼「マイナンバー制度」によって、労働者人民の情報は警察や裁判所などに「その他政令で定める公益上の必要」を名目にしてフリーパスで提供される。自分の個人情報をどの国家権力―行政機関が利用したのかについて確認することはできない。「国家による身分証明書」たる「個人番号カード」の所持を拒否する労働者人民は「非国民」扱いを受けることにもなる。▼現在の生活保護の捕捉率は2割と言われている。「生活保護法」改悪案が成立すれば、現在の受給者数216万人のうち4倍~5倍もの人が制度から排除される。政府の経済財政諮問会議は「生活保護費の不適正、非効率な給付を是正する」と、現在の受給者を減らし、受給額を減らすことを打ち出しているのだ。▼「連合」は「マイナンバー法」の成立に際し「連合結成以来の最重要課題として力を入れて取り組んできた番号制度が今国会で導入されるに至ったことを高く評価する」との事務局長談話を発表した。▼参院選挙を通して一挙に強まる改憲攻撃で「マイナンバー」が徴兵番号として使われ、生活保護制度改悪が野垂れ死にを強め、「欲しがりません。勝つまでは」という「国家総動員体制」を作るためのステップとして使われることを許してはならない。(山崎)