3・29卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会〈東京〉
全水道会館で集会
3月29日、午後1時30分より、全水道会館で「四者卒入学式対策本部」(「四者」とは「『日の丸・君が代』予防訴訟をひきつぐ会準備会」、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」、「『日の丸・君が代』不当解雇裁判をひきつぐ会」、「『日の丸・君が代』強制反対・再雇用拒否撤回を求める二次原告団」)が主催した「卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会」が闘われた。この集会には現役・OBの教育労働者をはじめ約120人の労働者人民が参加した。
都教育委員会は3月29日午前、2012年度卒業式で、不起立を闘った都立高校、特別支援学校の教育労働者、6人に対して処分を発令した。都立高校に勤務する5人の労働者に対しては「戒告」、特別支援学校に勤務する1人の労働者に対しては「10分の1、1ヵ月」の「減給」の処分を強行した。「減給」処分を受けた教育労働者は今回の不起立が4回目となるもので、昨年の「減給以上の処分は違法」とする最高裁1・16判決後では初めての「減給」処分の強行だ。
午前中の処分を受けて、3・29集会には、当該の教育労働者4人が結集し、それぞれ都教委の処分の不当性を怒りをこめて弾劾し、不起立の闘いについて誇りをもっていることなどを溌剌と語った。
集会は、主催団体の「四者」の仲間の司会あいさつに続いて、卒入学式対策本部の仲間が「今年の卒業式をめぐる状況」を報告した。「1・16判決以後、『戒告』止まりの処分に対して、都教委は転向強要、いじめでしかない『再発防止研修』を質量ともに増やしてきている」「都議会では『10・23通達』遵守・強化を要請する陳情がなされ、11月28日の都議会文教委員会、12月6日の本会議で採択が強行されている」「こうした動きを見ながら、都教委は2013年卒業式での起立徹底のため、校長による職員一人ひとりに職務命令を発している。また、あらかじめ不起立しそうな教職員については、卒入学式前後の行動をよくチェックし、克明に記録しろ、との指示を出している」「卒入学式日での年休を認めない、式最中の式場外での勤務についても不起立教育労働者をつかせない、など不起立の闘いに対して恐れるとともに徹底した弾圧を強めている」。
「再発防止研修」粉砕へ
処分を受けた当該の教育労働者の1人は、「職場で無関心の雰囲気が強くなっていたが、処分を出さないよう要望書を同僚が出してくれた」と報告した。また、「不起立の人には担任からはずすという人事がまかり通っているが、そうした処遇は不当だ」と訴えた。 今回「減給」の処分を受けた田中氏は、職場の若い教育労働者との親睦の中で「不起立への素直な共感を示す人も出てきている」「『練習・予行』でも私は不起立だったが、そのことの事情聴取を校長室に呼び出されて受けた。校長は『練習・予行』でも処分の対象と告げた」と職場での実態を報告した。
「君が代」裁判を担当する澤藤弁護士の発言に続いて、質疑応答が交わされ、「詳細はまだだが」と断りつつ、「四者」の仲間が、大阪における「君が代」不起立の闘い、そしてその闘いに対する府教委などの処分についての報告がなされた。都教育委員会に対しては不当処分に対する抗議のファックスを集中しようと提起された。
「被処分者の会」の近藤徹事務局長は、「卒業式被処分者に対して教育研修センターでの『再発防止研修』が強行されようとしている。当該の仲間を守っていくため、『再発防止研修』の日である4月5日には、全員で都教委への抗議と受講に出頭する仲間を激励する行動に参加しよう」と呼びかけた。
安倍極右政府の成立によって教育の国家統制の強化、差別主義・排外主義の煽動の嵐が吹き荒れている。都の教育行政においても、石原以後の猪瀬都政によって「日の丸」「君が代」強制の攻撃はますます強められている。猪瀬は、3月29日の記者会見で「起立してロパクやっていればいいわけでしょ。…そんな程度のレベルが分からないのは、教師としてふさわしくない」と言い放っている。猪瀬は、不起立で抵抗し続ける教育労働者に対して「不適格」として「分限」処分を含めた処分へと踏み込み、教育労働者の闘いを根絶やしにしようとしている。
〈東京・山谷日雇労働組合〉