4・5「君が代」不起立被処分者に対する「再発防止研修」粉砕闘争 〈東京〉
東京都教育委員会は、都立高校・特別支援学校で2012年度卒業式において「日の丸」「君が代」強制に反対し、卒業式場で不起立を貫いた教育労働者6人に対して「戒告」「減給」の処分を強行した。そして4月5日、そのうち退職者1人を除く5人を東京都教職員研修センター(水道橋)に呼び出して「再発防止研修」を強制的に受けさせた。
「再発防止研修」の日程は、従来は7月の夏休み時期だったが、昨年からは、入学式前に前倒しで設定して、入学式での不起立闘争を事前につぶすことも狙いながら「研修」を強行しているのだ。
4月5日、早朝から教職員研修センター前には教育労働者をはじめ多くの労働者人民が駆けつけ、都教委に対する抗議の闘いに起ち上がった。約80人を超える仲間が参加し、「研修」の受講に出頭した5人の仲間への激励と都教委に対する抗議の行動を研修センター前に張り付き闘いぬいた。
朝8時20分、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の星野共同代表が、封鎖されたゲートの内側で警備のため動員されてきている都教委の職員に対して、「君が代」強制の違法性、また処分や「再発防止研修」の強制について抗議の情宣を開始する。
そして、処分を受けた当該の5人の教育労働者が門前に到着すると、一連の「君が代」訴訟を担っている弁護団の澤藤統一郎弁護士が都教委に申し入れを行ない、「被処分者の会」「河原井さん根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」が抗議声明をそれぞれ都教委側に手交した。
受講のために研修センターに入構する当該の仲間たちを結集した労働者人民が「がんばれー」のシュプレヒコールで送り出した後、抗議行動に駆けつけた仲間たちの中から根津公子さんら、「再発防止研修」を過去に受講した人々が、「研修」と言いながらその内容は思想・信条を踏みにじり、イジメと思想転向の強要以外の何ものでもないことを、暴いていく。
午後12時30分、「研修」を終えた当該の仲間が抗議行動に合流して、「研修」の内容についての報告を行なう。それによれば、今回は、「研修」会場を7階でやっていたものを、「抗議・支援の声が聞こえるから」という理由で地下2階に移したという。当該の1人は「寒くてガタガタふるえながら『研修』を受けた。監視するような職員の態度、囲まれている圧迫感、くりかえし職務命令違反と言われ、心身ともに苦痛だった」と「研修」に対して怒りをこめて弾劾した。「減給」という最も重い処分を受けた田中氏は、「『ふりかえりシート』には、今後どのように職務を遂行しますかと設問があり、わたしは全体の奉仕者として憲法及び諸法令を遵守して職務を遂行すると書いた。講師はその諸法令には、校長の職務命令も入っていますよねと聞いた。もちろんそうだが、憲法と齟齬をきたす場合にはわたしは憲法を優先する」と「君が代」強制に対してはこれからも闘い続けていく決意を語った。
昨年から都教委はこの「再発防止研修」を強化してきている。今回の研修センターでの「研修」に先立って、受講者には事前の「受講前報告書」の作成が義務付けられている。さらに、この日の研修センターでの「研修」を受けた後には、2ヵ月の長期に亘る所属校での「個別研修」が義務付けられ、そして再度、研修センターでの2度目の「研修」が強制されてきているのだ。
〈東京・山谷日雇労働組合〉