5・29びわ工場門前闘争―5・30ヤンマー第二次滋賀県労働委員会(結審)闘争

       労働委員会の結審後、ヤンマー資本追及の決意を述べる稲森氏(右から二人目)
       労働委員会の結審後、ヤンマー資本追及の決意を述べる稲森氏(右から二人目)

5・29びわ工場門前闘争―5・30ヤンマー第二次滋賀県労働委員会(結審)闘争

 

529びわ工場門前闘争

 

 早朝より釜ヶ崎労働者のメンバー4人は稲森秀司氏(ヤンマー争議当該 びわ湖ユニオン書記長)と長浜駅前で合流し、門前闘争に決起した。当日、中国から「お客」が来るとかで、門を入ってすぐ左側にあるヤンマー旗の真横で中国の旗がたなびいている。びわ工場やヤンマーミュージアムの門前には、創業者のコトバ・「美しき世界は感謝の心から」という巨大な石碑がある。「資本家にとって『美しき世界』とは、使い捨てにする労働者を屈服させ、低賃金・劣悪な労働条件でも雇ってもらえることに『感謝の心』を持たせることから始まる」と言う意味なのだろうか。外国人労働者や「非正規雇用」労働者などをこき使い、使い捨てにし膨大な利益をあげてきたヤンマー資本の労働者に対する傲慢不遜な本心をあけすけに吐露しているコトバなのではないだろうか。派遣労働者を乗せた大型バスが正門から工場内に入っていく。毎回そうなのだが、遠くの高い建物からガラスごしに門前闘争をうかがっている社員がいる。時にはわれわれの活動をカメラに収めている。稲森氏をはじめ参加者は、仕事に来た労働者に「おはようございます。ご苦労様です。びわ湖ユニオンです」と笑顔で声をかける。挨拶をしてくれる労働者も多くいるが、中には緊張した顔で通り過ぎていく労働者もいる。「あの人は以前、僕と一緒に仕事をしていた人です。本人も引け目を感じているのでしょう」と稲森氏が教えてくれる。小雨交じりの中、早朝の門前闘争を貫徹した。

 

第二次滋賀県労働委員会・結審

 

 4月新年度を迎えた。滋賀県労働委員会は結審・命令へと向かう重要なこの時期に、担当の労働者委員を解任し、新たな労働者委員に交代させることを強行した。現在びわ湖ユニオンで裁判闘争を闘っている日本電気硝子労働組合の委員長・鹿城和彦という利害関係者をあえて労働者委員に就任させたのだ。滋賀県労働委員会は恥知らずにも、稲森氏をはじめとした労働者の権利を守るつもりがないことを宣言したも同然だ。
 5・30労働委員会では、和解の提案が稲森氏とヤンマー側双方に行なった。ヤンマー側代理人・弁護士は「雇用は全く考えていない」と言うのみであった。労働委員会は、なぜそうなのかという理由すら聞くことをしなかった。
 稲森氏の要求は、「自宅(長浜市)から通える、ヤンマー関連企業への雇用」なのである。にもかかわらず、審査委員・肱岡勇夫は金銭和解をわざわざ聞くという始末であった。
 終了後、決意表明において稲森氏は、「8月30日、郵送で不当な命令書が届き、すぐさま中央労働委員会に不服申し立てを行なうことになると思います。ヤンマーが滋賀県、長浜市行政に力を持っていることから、雇用が何十回もつぶされてきました。ヤンマーを許すことができません。〝リーマン・ショック〟を理由にやむにやまれず解雇したと言っていますが、3・11大震災の後、他の企業では考えられない前年度比400パーセントの利益をあげているヤンマーが、たった一人の労働者・稲森を雇うことができない。こういうヤンマーに対して徹底的に闘っていきたいと思います。中労委では、労働委員会、司法のありかたを問う闘いを行なってまいります。今後もご支援よろしくお願いします」と決意を表明した。
 〈反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会〉