6・26パナソニック株主総会宣伝行動 〈大阪〉

会場前でパナソニックの不法行為、社会的責任を追及する吉岡氏
会場前でパナソニックの不法行為、社会的責任を追及する吉岡氏

6・26パナソニック株主総会宣伝行動 〈大阪〉

 

 パナソニックの株主総会が、6月26日午前10時から大阪城ホール(JR大阪城公園駅)で開催された。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は、雨の降りしきる中、午前8時から午前10時まで、パナソニックPDP争議当該・吉岡力氏の闘いに連帯すべく、「パナソニック株主総会宣伝行動」に取り組んだ。去年は、数人の「なかまユニオン」のメンバーも参加していたが、今年は誰一人来なかった。
 吉岡氏がマイクを持ち訴える。「中央労働委員会では、口では真摯に受け止めると言っておきながら、和解の席にパナソニックの役員が誰も参加できないと言っています。経営を再建していくと言っていますが、そんな無責任なことで、本当に再建できるのでしょうか」「パナソニックはすでに7万人ちかい従業員の大量首切りをしています。しかし、1兆5000億円もの大赤字を出す要因をつくった戦犯・中村邦夫現相談役をはじめ取締役4人は、合計18億5500万円もの退職慰労金(2012年度)を受け取っています。はたしてこのような事が許されるでしょうか」「大赤字の責任を一切取らず、膨大な役員報酬を受け取っている無責任な経営者を許していいのでしょうか。今日の株主総会でぜひ責任を追及してほしいと思います」。
 傘をさしビラが濡れないようにしながら精力的に株主や通行する労働者人民に対して数百枚のビラを配布した。
 パナソニックは、吉岡氏をはじめ多くの労働者を「偽装請負」状態にして劣悪な労働条件でコキ使い、膨大な利益を上げてきた。吉岡氏が組合に加入し大阪労働局に「偽装請負」を告発したところ、パナソニックは吉岡氏を元の職場から排除し真っ黒なテントで隔離し「みせしめ労働」をさせたあげく、2006年1月、5ヵ月で「雇い止め解雇」を強行した。最高裁は2009年12月、吉岡氏とパナソニックとの間にあった「黙示の労働契約」を認めず、吉岡氏とパナソニックの雇用関係を認めた大阪高裁判決を覆し、雇用関係を認めない不当判決を下した。しかし、その最高裁ですら、吉岡氏の内部告発に対しパナソニックが報復として行なった黒テントでの「みせしめ労働」と「雇い止め解雇」を「不法行為」と認定し、損害賠償(それぞれ45万円)を認めざるをえなかった。人権侵害の不法行為が認定されている部分では、吉岡氏が勝訴しているのだ。にもかかわらず、いまだにパナソニックは「不法行為」の責任をまったく取らず、吉岡氏を職場に戻していない。中央労働委員会では、「お金(90万円)はいりませんから、最高裁で認定されている報復等の不当な動機によって行なわれた人権侵害(不法行為)の部分について然るべき立場の方が謝罪して下さい」と主張している。ところが、パナソニック側は、和解の席には弁護人(弁護士)のみで、パナソニックの役員は誰も出たくないと言っているのだ。中労委の公益委員や使用者側委員ですら「私たちも努力をいたしましたが、こういう会社(誠意のない会社)なので私たちも非常に残念です」と言う始末だ。このまったく誠意のないパナソニックの態度は、資本家の全ての労働者に対する態度そのものではないのか。吉岡氏の怒りと悔しさを共有し、当該・吉岡氏の要求の実現へむけこれからも連帯し闘っていく。
 当日の正午過ぎ、吉岡氏から次のような連絡があった。「インターネット上で今日の株主総会で『偽装請負』をはじめとした質問がありました。ほぼビラの内容のほとんどが質問されています。今日はどうも有難うございました」。
 〈反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会〉