8・29パナソニック第二・第三申立事件
中央労働委員会(結審)闘争
82月9日のパナソニック第二・第三申立事件の中央労働委員会(結審)は、組合員の証人から尋問が始まった。主尋問は、2008年6月24日の第一回団交について、パナソニックPDP側は、人権侵害行為としての「リペア作業」は「必要があった」として一切謝罪がされていないこと、吉岡氏の「地位確認」についてきちんと団交で話し合う姿勢がなかったこと、上告理由を明らかにすることを求めても上告中であることを理由として具体的な交渉を一切拒否したことなど、パナソニックPDP側の不誠実団交を明らかにし、続いて、2008年7月30日の第二回団交について、組合側が高裁判決で人権侵害が認定された「リペア作業」の部分だけ切り離して解決を要求しても、代理人弁護士は「不可分一体」「切り離せない」「上告中」として団交での解決を一貫して拒否し続けたことを暴露する。また、代理人・魚住と会社側が団交を「平行線」に追いやり、解決する姿勢がなかったことを明らかにした上で、パナソニックPDP側は中労委の主張で、組合側が団交を「平行線」にしたかように装ったことを暴露した。最後に、中労委に対して「非正規」労働者の争議が困難な状況で吉岡氏が起ち上がったことに敬意を表し、争議解決に向けた努力をするよう訴えた。
パナソニックPDP側からの反対尋問の後、短い休憩が入り、続いて吉岡氏の尋問が始まる。まず主尋問では、7月30日の団交がパナソニックPDP側の「最高裁に委ねたから」との理由で、団交の場で議論しない態度であったことが明らかにされた。吉岡氏はそのような状況でも、団交が「平行線」として決裂したとは思っていなかったこと、組合が日程調整しようとしたがまったく連絡が取れず、会社に直接行っても「担当者はいない。総務に一人もいない」などの対応をされたこと、組合は何度も要請行動を行なっていたことが明らかにされていく。吉岡氏は、2009年7月29日の要請行動で「保安の方々に取り囲まれ羽交い絞めされ押さえつけられた」と不誠実な対応だったとして、暴力を振るったのは組合側という会社側の主張を打ち崩した。和解案が流れたことに対して吉岡氏は「和解案では『真摯に請けとめる』ということを言っておきながら、和解の席には誰も出席しない。言っていることと、やっていることが違う。社会的にもひどすぎる対応」と怒りを露にした。最後に吉岡氏は、「公益委員も判断をだし主張したにも関わらず、パナソニック側が出ないということは、私も非常に残念に思っている。公益委員の方も『説得したけど非常に残念』と言われた。少しはこの会社の非常識さが分かっていただけたかなと思っているし、そう言ってくださったことは、不当労働行為に対していい判断をもっていただけている、とは思いますが、結果如何に関わらず言葉をかけてくださったことは、ありがたいと思っています」と述べた。続く反対尋問でパナソニックPDP側は、「真摯に受け止める」という内容では足りないのか、損害賠償を供託していることが、謝罪していると受け止められないのかと、あがきとも取れる質問をくり返した。吉岡氏は、「先ほども言いましたが、真摯に受け止めるといいながら、誰も出席しないというのは言っていることとやっていることが違うという認識で、逆にコケにされたと思っている」「法的な問題ではなく、私に向かってきちんと話し合いの場で応じるのは社会的に当たり前のこと。団体交渉に応じろと要請を続けていた。応じなかったのは会社側です」と言い切った。
今回の結審で最終陳述書が10月末までの提出となり、命令が出されるのは多分年を越えると思われる。
〈神奈川県地域連合労働組合〉