8・28サントリーパブリシティサービス株式会社(SPS)との第1回団体交渉

8・28 サントリーパブリシティサービス株式会社(SPS)との第一回団体交渉

神奈川県地域連合労働組合

 

現代の〝レッド・パージ〟を粉砕しよう 

 

 神奈川県警の「『反社会的勢力』であることを隠して、アパート契約を結んだ」とする「詐欺」容疑での不当弾圧を契機として、神奈川県地域連合労働組合の委員長である川村朱美子さんに対してサントリーパブリシティサービス株式会社(以下SPS)は、不当な「雇い止め」「自宅待機命令」を強行した。川村さんの「雇い止め」「自宅待機」の撤回と職場復帰をかちとるため、神奈川県地域連合労働組合は8月9日、赤坂にあるSPS本社に赴き、団体交渉の申し入れを行なった。
 専務取締役・宇野とコミュニケーション本部部長・大高は、川村さんの「釈放」後の出勤日、6月23日から川村さんと継続した話し合いを進めていた。7月16日の話し合いの最後にも宇野自ら「また話し合いを」と言っていたにも関わらず、7月20日、大高が突然川村さんの職場に乗り込み、一方的な「自宅待機命令」を押し付けた。そして、翌出勤日に出勤した川村さんを宇野と大高は職場入口で待ち伏せし出勤を妨害したのだ。その後、川村さんがいつ連絡しても大高は「不在」を通し、朝の就業時刻に連絡時間を指定して連絡したにも関わらず「すでに外出」という対応に終始した。総務・北浦が取り次ぎしてやっと連絡をよこすというまったく不誠実な対応であった。そのような状況では川村さんとSPSとの継続した話し合いもままならないことから、神奈川県地域連合労働組合として話し合いで解決を切り拓くべく団体交渉を申し入れたのである。
 8月28日午後6時45分、組合側と当該・川村さんが団交の指定場所である星陵会館に到着すると、SPS側の交渉人2人がロビーに待機し会議室には宇野・大高らが待ち構えていた。午後7時少し前に団体交渉が始まる。第1回目ということもあり、SPS側、組合側両者の交渉人の自己紹介を行なった。SPS側は宇野・大高を含む5人、組合側は神奈川県地域連合労働組合から当該・川村さんを含む2人と支援の仲間あわせて5人で交渉に臨んだ。
 宇野は、「逮捕され10日間無断欠勤したことが処分の理由ではない」「仕事ぶりには何の文句もない。むしろ感謝している」という。「川村さんは、革命的労働者協会(解放派)に所属しており、革命的労働者協会(解放派)は、就業規則、企業倫理綱領にある『暴力団・暴力団員その他これに準ずる者等反社会的勢力』『市民生活の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力・団体』である。これは、『反社会的勢力』『反社会的勢力・団体』との関係を一切持たないことを定めた就業規則や企業倫理綱領に反するから処分する」というのだ。まさに現代の〝レッド・パージ〟である。
 
「非正規雇用」労働者と連帯し、「直接雇用」「無期限雇用」をかちとろう

 

 「暴力団」には、まがりなりにも「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴力団対策法)」の「指定暴力団」という法的規定があるが、革命的労働者協会(解放派)に関しては、そういう法的規定はない。あるとすれば、破防法の団体適用であるが、残念ながら革命的労働者協会(解放派)には、破防法の団体適用はなされていない。「市民生活の秩序や安全に脅威を与える」。福島第一原発の東京電力や沖縄・普天間基地の米軍も、「反社会的勢力」「反社会的勢力・団体」なのか。サントリー資本が、東京電力や米軍を「反社会的勢力」「反社会的勢力。団体」と考えているハズがない。これらのことから言えることは、サントリー資本のいう「反社会的勢力」「反社会的勢力・団体」とは、「反体制」「反権力」ということであろう。もしそうであるならば、国会前で反核行動をやっている団体も普天間基地ゲートを封鎖した沖縄労働者人民も「反社会的勢力」「反社会的勢力・団体」になってしまう。これは、「思想及び良心の自由」「集会・結社・表現の自由、通信の秘密」を侵す「日本国憲法」違反と言う他なく、これを理由にした処分は、明白な不当労働行為である。
 「就業規則」「企業倫理綱領」の文言が、間違っている、ないしはその適用の仕方が間違っているのであれば、川村さんが革命的労働者協会(解放派)に所属しているのか否かなぞということは、問題にもならない。その上で、サントリー資本が、どうしてもそれを立証したいというのなら、勝手にやればいい。ただし、立証義務は処分する側にあることを忘れるな。川村さんには、これに答える義務なぞないのである。サントリー資本はこのことにおいてもデタラメである。
 サントリー資本が川村さんを解雇するのに「雇い止め」という形式を取るのは、川村さんが「非正規雇用」労働者だからだ。川村さんの「雇い止め」「自宅待機」を撤回し職場復帰をかちとる闘いは、「非正規雇用」労働者にとって何としてもかちとっていかなければならない闘いである。更新がくり返され、会社の都合のいいように首を切られる雇用形態を変えていかなければ、「非正規」で働く労働者は常に仕事と生活に不安を抱えたまま生きていかなければならない。サントリー資本による川村さんへの「雇い止め」「自宅待機」はまさに「会社都合」による「雇い止め」解雇であり、労働者の生きるための闘いを「反社会的勢力」「反社会的勢力・団体」と規定し排除を目的とした不当労働行為なのだ。絶対に許してはならない。全国で闘う「非正規雇用」労働者の闘いに連帯し、団結を打ち固め、川村さんにかけられた「雇い止め」「自宅待機」を撤回させ、職簿復帰をかちとっていこう。「直接雇用」「無期限雇用」をかちとろう。