9・18ヤンマーびわ工場門前闘争

9・18 ヤンマーびわ工場門前闘争

 

 9月18日午前7時すぎよりヤンマーびわ工場門前にてビラまきを開始する。挨拶をしてくれる労働者もいる。ブラジル人労働者など外国人労働者も多い。
 7時30分すぎから、稲森秀司氏(ヤンマー争議当該・びわ湖ユニオン書記長)はハンドマイクを手にアピールを行なった。最後に、稲森氏は、次週25日に「東京けんり総行動」でヤンマー東京支社への抗議と申し入れ行動を行なうことを明らかにし、粘り強くヤンマー闘争を闘いぬく決意を明らかにして、約50分の門前闘争を終えていった。
 7月31日、滋賀県労働委員会は稲森氏に「申立組合(びわ湖ユニオン)の請求を棄却する」、「(びわ湖ユニオンは)ヤンマーの社内における組合ではなく、申立組合はヤンマーに請求する権利はない」とする不当命令を出した。
 今回の不当命令の特徴の第1点目は、滋賀県労働委員会は「アルバイト・派遣・パート関西労働組合」が「申立主体」だった先行の「第一次不当労働行為救済申立事件」の「蒸し返し」と最初から決めてかかっていたことである。今回の滋賀県労働委員会への「救済申立事件」の内容は先行の「申立事件」とはまったく異なっており、「先行事件」の「蒸し返し」でもなんでもない。先行の「不当労働行為事件」の「救済申立主体」は「アルバイト・派遣・パート関西労働組合」であった。2009年2月15日に解雇された組合員(「アルバイト・派遣・パート関西労働組合」所属)の雇い戻しがされず、非組合員が雇い戻しされたのは、組合員に対する「不利益取扱」であり、その行為に対する救済として原職復帰を求めたというものである。
 今回の「救済申立」内容は、①2012年5月30日に「びわ湖ユニオン」として、新たな雇用を求めてヤンマーに団体交渉を申し入れ、その席上でヤンマーが裁量権を盾に雇用をしないと言ったことが組合活動家排除を目的とした不当労働行為であること、②同年8月11日に、稲森氏が長浜市内の人材派遣会社「クローバー」の募集に応募した際、ヤンマーから履歴書の提出が求められていること。派遣会社の面接の結果は「合格」だったのにもかかわらず、ヤンマーの夏季休暇が終わった8月23日に「不合格通知」を送ってきたことは、明らかに組合活動家排除を目的とした、「労働者派遣法」で禁止されている「労働者特定行為」であること、この2点に対する「救済」であった。にもかかわらず滋賀県労働委員会は、「先行事件」の「蒸し返し」として、「救済」すべき内容がまったく別物であることを意図的に無視し、不当命令をうち下ろしてきたのだ。
 第2点目の特徴は、「びわ湖ユニオン」の組合員は、ヤンマーと労働契約を結んでいないので、「救済」すべき利益がないと切り捨てた点である。当事者であるヤンマーが不誠実団交とはいえ団体交渉に応じており、「被申立人」のヤンマーですら主張していない内容で、滋賀県労働委員会自身が「びわ湖ユニオン」を嫌悪したとしか受け取れない内容の不当な命令であった。
 新年度4月になり、労働者委員の交代があったが、滋賀県労働委員会は「びわ湖ユニオン」が裁判闘争を闘っている日本電気硝子の労働組合(電機連合加盟)の中央執行委員長という利害関係者を就任させるという信じられない行為を行なっているのだ。稲森氏や故佐々木氏の訴えになんら応えず、不当命令をうち下ろした滋賀県労働委員会を徹底弾劾しなければならない。
 労働委員会闘争の舞台は中央労働委員会に移る。稲森氏は、中労委闘争の準備に取り掛かっている。稲森氏は長浜現地での就労闘争を積み重ねつつ、ヤンマー闘争勝利にむけて決意を新たにしている。
〈反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会〉