10・24 稲森氏を先頭に、滋賀県労働委員会とヤンマーに弾劾行動
7・31不当命令弾劾する
7月31日、滋賀県労働委員会は、びわ湖ユニオンが申し立てた「第2次救済申立」に「びわ湖ユニオンはヤンマーの社内における組合ではなく、申立組合はヤンマーに請求する権利はない」とする不当命令を出した。稲森氏は、ヤンマーが稲森氏の組合活動を嫌悪して雇用しなかったことが、組合活動を理由にした不当労働行為、不利益取り扱いだとして、故佐々木真一郎氏(びわ湖ユニオン前委員長)とともに、県労働委員会に不当労働行為救済を申し立てて闘ってきた。ところが県労働委員会は、8月30日の命令・交付の予定を1ヵ月も早めて、7月31日に、門前払いの不当命令を打ち下ろしたのだ。怒りを込めて弾劾する。
この不当命令の特徴の第1点目は、「アルバイト・派遣・パート関西労組(アパケン)」が申立主体であった「第1次不当労働行為救済申立」の「蒸し返し」と最初から決めてかかっていたことである。「第1次救済申立」は、2009年2月15日に解雇されたアパケン組合員の雇い戻しの申し入れは受け入れなかったにもかかわらず、非組合員に対しては再雇用が行なわれ、アパケン組合員に対する不利益取り扱いであるとして現職復帰を求めたものであり、主体は「アパケン」であった。今回の「第2次救済申立」は、①2012年5月30日の団体交渉で、「びわ湖ユニオン」として、過去のことは不問(びわ工場での雇用にこだわらない)にしてまでも、新たな雇用を求めてヤンマーに申し入れたことに対して、その席上で「ヤンマーには裁量権があるのであなた方(稲森氏、故佐々木氏)を雇用しない」と言ったことが、組合活動家排除を目的とした不当労働行為であること、②同年8月11日に、稲森氏が長浜市内の人材派遣会社「クローバー」の募集に応募した際に、ヤンマーから履歴書の提出が求められており、「クローバー」の社長面接の結果は「合格」だったが、ヤンマーの夏期休暇が終わった8月23日に「クローバー」から「不合格通知」を送られてきたのは、ヤンマーの圧力による明らかな組合活動家排除を目的としたものであり、「労働者派遣法」違反=「労働者特定行為」であることの2点に対する「救済申立」だった。県労働委員会は、「第2次救済申立」が「第1次」とは救済すべき主体・内容がまったく別物であることを意図的に無視したのだ。
第2点目の特徴は、県労働委員会が「びわ湖ユニオンの組合員は、ヤンマーと労働契約を結んでいないので、救済すべき利益がない」と切り捨てた点である。ヤンマーですら不誠実とはいえ、びわ湖ユニオンの存在を認め、団体交渉に応じているにもかかわらず、ヤンマーですら主張していない内容で、命令を下したということだ。
滋賀県庁前と長浜ドームで弾劾の情宣行動に取り組む
10月24日午前9時、県労働委員会の不当命令を弾劾すべく、県労働委員会が入っている滋賀県庁(大津市)の前に、稲森氏がハンドマイクで弾劾の発言に起つ。約1時間にわたり、弾劾のビラ配布を行ない、次の行動に移る。
場所は長浜ドームだ。10月24日から26日にかけて、そこで「びわ湖環境ビジネスメッセ」が開催されている。「日本最大級の環境産業総合見本市」と銘打ったこの催しには、ヤンマーを含む314企業が出展している。午後1時半から約1時間、ヤンマーに対する弾劾の情宣が行なわれた。稲森氏は、「2009年2月15日、ヤンマーは〝リーマン・ショック〟を理由に502人もの労働者を解雇しました。この大量解雇の実態は、組合の抹殺にあったのです。私は、ヤンマーの行なってきた労働者に対する不当な扱いを絶対に許すことができません。職場復帰を求めて徹底的に闘ってまいります」と力強く訴えた。連帯アピールが、「マルアイ争議当該」「関西合同労組」「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」「ユニオン自立労働組合京都」から行なわれ、最後は稲森氏によるシュプレヒコールで、行動が締めくくられた。
〈反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会〉