「乾坤一擲」

乾坤一擲(けんこんいってき)

 

 今年の臨時国会は、「戦後日本の転機」として歴史に刻印されるだろう。「特定秘密保護法」に反対するデモや国会包囲行動を「テロ」(自民党幹事長・石破)と言い、安倍政府は多くの声を無視して法案を強行採決した。この法律の刃が労働者の闘いに向いているのは、この「テロ」発言で明白だ。臨時国会では、他にも「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法」「国家戦略特区法」などの制定が強行され、「生活保護法」の改悪も行なわれた▼7月に安倍政府の副総理・麻生は、改憲をめぐって「ナチスの手口を見習え」と言い放った。それを実行するかのように「アベノミクスで経済は好転している」というウソが、「百回言えば真実になる」とばかりにくり返されている▼「失業と貧乏と戦争をもたらさずにはおかない」(中西五洲氏)のが資本主義だ。これを防衛するために、安倍政府は「連合」を「政労使会議」に招き入れている。しかし来年4月の消費税増税によって、「アベノミクス」の破産は明白になるだろう。労働者の怒りの炎は、いくらペテンを弄しても消すことはできない。それどころか「鉄鎖以外に失うものがない」労働者の恐ろしさを思い知ることになるだろう▼全労交は、サントリー資本による労働者の思想・信条を理由にした「自宅待機」―「雇い止め」というレッド・パージ攻撃に直面している。一人の労働者にかけられた攻撃だが、その本質は、戦争に向けた「産業報国会」の再現を許すのか否かの問題だ。2014年、全争議の勝利に向けて闘いぬこう。(山崎)