「乾坤一擲」

乾坤一擲(けんこんいってき)

 

 2013年年末の12月6日、安倍政府は「特定秘密保護法」強行可決のどさくさに紛れ、先送りするとしていた「生活保護法改悪案」を可決―成立させた。改悪によって窓口で保護の申請をはねつける「水際作戦」を強めようとしている。▼12月23日には、設置したばかりの「国家安全保障会議(日本版NSC)」を開き、南スーダンで展開する自衛隊が韓国軍に1万発の銃弾を提供することを決定した。安倍はこの決定を「武器輸出三原則」の〝例外措置〟と言い、自らが提唱する「積極的平和主義」と表れと言っている。狙っているのは、〝例外〟を乱発し、「武器輸出三原則」を空文化することだ。▼12月27日には、沖縄「県」知事・仲井真に名護新基地建設にむけた「公有水面埋立申請」への承認を発表させた。仲井真は年間3000億円を超す「沖縄振興策」予算を沖縄ブルジョアジーに提供し、安倍が「基地負担の軽減策」という〝口約束〟をしたことで自らの行為を正当化しようとしている。▼安倍が年末に強行したこれらの攻撃の裏には、明らかに〝焦り〟が見て取れる。〝「アベノミクス」で経済は好転している〟というペテンが4月の消費税増税によって通用しなくなる前に〝戦争のできる国〟に日本を作り変えてしまおうという〝〟焦り〝だ。▼12月20日、安倍と資本家と「連合」は、「政労使会議」の合意文書を発表し、2014年春闘を〝デフレ克服のための春闘〟にしようとしている。戦時国家体制の形成を急ぐ安倍と資本家どもが日本労働運動を〝資本主義経済防衛〟の合唱隊に転落させようとしている。これを打ち砕く春闘の爆発を全労交が先頭に起ってかちとろう。(山崎)