「乾坤一擲」

「乾坤一擲」けんこんいってき)

 

 1月下旬に開会した通常国会では、「集団的自衛権行使の合憲化」、「武器輸出三原則の緩和」、「共謀罪」新設、「盗聴法」改悪といった戦争諸「法」案が目白押しだ。安倍はこれらの〝戦争政策〟を「積極的平和主義」と居直り、ゴリ押ししようとしているのだ。「責任野党」という〝誘い文句〟に乗る「野党」の翼賛勢力化が進み、議会の外での労働者の闘いが攻防の鍵となっている。▼派遣労働を「一時的」「臨時的」なものから〝普通の働き方〟に変えてしまい、一生涯「非正規雇用」を強いる「労働者派遣法」の改悪や、1前に施行したばかりの「5年超の有期雇用労働者に無期雇用転換権を与える」とした「労働契約法」に例外規定を作り空文化する「法」案の提出も狙われている。さらに、安倍の下にある「規制改革会議」や「産業競争力会議」が「限定正社員」の拡大と、それを突破口にした「解雇規制緩和」=「解雇自由化」や「労働時間規制の緩和」=「残業代ゼロ化」にむけた「法」案作りを進めている。安倍や資本家たちは、一握りの「高給取り」の「正社員」を「成長戦略」を遂行する〝産業下士官〟とし、「非正規化」した九割の労働者に「解雇」をちらつかせて「残業代ゼロ」=「ただ働き」を強制し、「原発再稼働―原発輸出」や「武器輸出」で利潤を追求して延命しようとしているのだ。▼「産業報国会」や「レッド・パージ」、「朝鮮特需」といった労働運動にとって敗北を意味する言葉で語られるような時代を再現させないために、労働者の全力での対決が求められている。(山崎)