サントリー・SPS争議当該 全労交代表呼びかけ人 川村朱美子さん

サントリーSPSに対する門前闘争を闘う川村さん(右から2人め)
サントリーSPSに対する門前闘争を闘う川村さん(右から2人め)

 サントリー争議当該の川村です。昨年3月の全労交春闘集会で代表を務めていた佐久間氏が顧問に就任するとのことで、代表呼びかけ人になりました。その時点で私自身が争議当該になるとはまったく思っていませんでした。今の世の中、いつ自分が突然クビを切られ、あるいは突然「雇い止め」を言い渡され争議当該になってもおかしくない社会状況であると思います。私はサントリーパブリシティサービス株式会社、長いのでサントリー・SPSと言わせていただきますが、この会社に1年毎の契約社員としてそれまで2年半ほど働いていました。お客様サービスというところで電話の受付なんですが、債権回収部署の電話受付でした。債権関係ということで非常にお客様のクレーム等が多い部署なんですが、そうした中で仕事をこつこつと覚えながら自分ではまじめに働いてきたつもりでいました。しかし、昨年6月11日、神奈川県警が、「詐欺」容疑ということで私に不当弾圧を仕掛けました。この「詐欺」容疑の内容はですね、「反社会的勢力・団体」であることを隠してアパート契約を結んだとするもので、まったくデタラメなものなんです。私は「反社会的勢力・団体」だと思ってませんし、当然「暴力団」ではありませんし、普通に自分の部屋を借りただけであって、それを神奈川県警がデッチ上げて私を逮捕・勾留したんですね。当然ながら根拠もないことですからすぐに釈放されたんですが、このことを会社に、突然の逮捕ですから連絡はできず知人が連絡してくれたんですが、突然休んだことではありますから、きちんと会社側にこれこれこういうわけでしたと説明したんですね。ところがサントリー・SPS側は、私のことを調べて「反社会的勢力・団体」と関係があると、「革労協(解放派)」が「反社会的勢力・団体」でそこと関係があるとして、「就業規則」に違反すると言ってきたんです。確かに「暴力団新法」ができてから、「就業規則」には「暴力団員、暴力団に準ずる団体であること」というのが、「解雇条件」にあって辞めてもらうとなっているんですが、私は先ほど言ったように「暴力団」でも、「反社会的勢力・団体」でもありません。サントリー・SPSがこのことをもって私を「雇い止め」にすると通告してきた、このことを私は絶対に認めるわけにはいかないと思いました。会社は最初は逮捕されたことは「解雇事由」にはならない、継続して働いてほしいと言っていたにも関わらず、その一週間後にはそのことを覆して今年いっぱい、ですから昨年12月31日でもって「『雇い止め』する」「自主退職してほしい」「それまで自宅待機をしてほしい」と。そして話し合いを重ねても私が応じないことがわかって、突然に職場に乗り込んできて自宅待機命令を突きつけてくる。その後出勤したときは、会社の入り口で待ち構えて中に入れさせない、入るためのID番号も抹消したということで絶対に許せないと思い、その後職場前で抗議行動を取り組み、神奈川県地域連合労働組合として団体交渉を申し入れました。この団体交渉を5回ほどくり返してきているんですが、そのなかでわかった事は、サントリー・SPSは労働運動や政治活動を行なっている人間は会社にとって都合の悪い人間だからどんな理由をつけてでも、どんな難癖をつけてでも会社から排除するという事です。運動をやっていることを理由に排除するのは「思想・信条の自由」を奪うことで、〝レッド・パージ〟だと言ったところ、専務取締役、いわゆる社長の次に名前がある人なんですが、「〝レッド・パージ〟って何ですか?知らないので教えてください」と言うんです。もう組合側は開いた口が塞がらないです。学校の教科書にも出てくるようなことだよと、こういった政治活動をしている労働者をそのことを持って解雇したり、「雇い止め」にすることはしてはいけないことだと丁寧に説明し、だからあなたたちがやっていることはそれなんだと何度説明しても自分たちはそのつもりは無いと言うんですね。もしかしたらわかっているのかも知れませんが、私を追い出すためには絶対にそれを認めないという態度だけは変わらないんです。サントリー・SPSは、「反社会的勢力・団体とは市民社会に不安と脅威を与える団体だ」と言っているんですね。だったら原発はどうなんだ、どれだけ不安と恐怖を与えているんだ、沖縄の米軍基地はどうなんだ、墜落するようなオスプレイが住宅地の上を飛んでいるじゃないかと言っても、それは違うと言うんです。こんなことを言う会社です。「原発事故」については「本当に市民社会に不安を与えているのですか?」とまで言うんですね。団体交渉の場で言うんです。社会性が無さ過ぎです。しかも、団体交渉の場で退職の書類を送ったので見ておいてくださいと言うんですね。私は辞めたくないから団体交渉を行なっているのであって、その場で退職手続きの話をするなど信じられない。団体交渉の意味すらわかってないのではないかと思います。

 私は「就業規則」に違反していません。サントリー・SPSは法的根拠を示せと言っても出せず、居直って「今回会社が革労協(解放派)を反社会的勢力・団体と決めました」と言うんです。ならなぜ「革労協(解放派)」だけなのか、他の政治団体は含まれていないんです。それは私を追い出す、排除するためにだけ今回「革労協(解放派)」を会社が勝手に「反社会的勢力・団体」と決めたんですね。「思想・信条」を侵害している憲法違反以外の何ものでもありません。明らかな「不当労働行為」です。私は徹底して職場復帰までサントリー・SPSと対決していこうと思っています。決まり文句で「裁量の自由」を持ち出して排除しようとするサントリー・SPSを絶対に許せません。復帰するまで闘って行きたいと思います。会社が勝手に「就業規則」を捻じ曲げてしまえば、誰でも首を切られることになってしまいます。許してはならないと思っています。3月19日には、第2回目の都労委があります。サントリー資本に対するこの闘いに多くの皆さんのご支援よろしくお願いします。