「君が代」不起立を闘う教育労働者 河原井純子さん

「再発防止研修」を弾劾して闘う労働者(右から5人めが河原井さん)
「再発防止研修」を弾劾して闘う労働者(右から5人めが河原井さん)

 河原井です。全労交の皆さんの非常にラジカルな発言にとっても元気になっています。わたしは4年前まで、さまざまな「障害」のある子供たちや青年たちが学ぶところの教育労働者でした。2003、10・23通達という石原教育行政が「日の丸・君が代」の強制をしたのが10年前です。私は学校現場、教育現場で強制はなじまないと思っています。それからおかしいことや変なことには「NO」と言って、自分のできることで表現していくということが私の基本ですので、私は「日の丸・君が代」の強制に「NO」と言い続け、なんと停職6ヶ月、停職は計3回の処分を強行されました。しかし、全国の仲間たち、それから皆さん全労交の抵抗のエネルギーがクビにはさせなかった。それで私も根津さんもともに定年退職を迎えることができました。

 しかし、この10年間のあいだ東京の学校は、学校でなくなっています。皆さんも良くご存知かと思いますが、田無工業高校では自衛隊と連携した訓練が実施されています。それから定時制高校では飲酒・タバコ、これは今までは教員がとことん付き合い教育の中で改善してきたものであったはずなのに、これを点数化して重罰を科し、停学へ退学へと排除の思想が横行しています。それから「学力スタンダード」、できる子にとって居心地の良い学校、できない子にとっては苦痛以外の何物でもない、できない子はどんどん学校から排除して良いというそういう学校になっています。私は今、学校で起こっているさまざまなことは、もう教育労働者の手だけではどうにもならないと思っています。教育労働者以外の労働者、皆さんたちと共にしなければ、とても抵抗のできる内容ではなくなっています。それから若者たちとの共闘、これはとっても大事だと思っています。若者たちとつながっていく。私は今、若者たちと「味噌作りと憲法学習会」という「学習会」をやっているんですが、青森の八戸で出会った若者が、「河原井さん、どうして『君が代』で不起立するの?だって僕の高校の先生みんな立って大きな声で『君が代』歌ってたよ。どうして?」って質問したんですね。私は即答しないで「憲法一緒に学びませんか」と言ったんです。それから私は30年近く「味噌作り」をしているんですね。それで「一緒に味噌作りしない?」といったんですね。そしたら若者たちがスルーすると思ったら、「味噌って発酵食品だよね。味噌って作れるの?味噌って嫌いな人いないよね」っていってみんな賛成したんですね。それで「味噌作りと憲法学習会」をして4年になります。その中で「非正規」の若者たちは「そうか、おかしなことにはNOと言っていいんだ」と、とにかく管理職には文句を言わないできたけれども、物言っていいんだと。1人では弱いので、つながることの大切さ、団結することの大切さをどんどん学んでいったんです。若者たちとどう繋がっていくか?それから教育労働者以外の労働者とどう共闘できるか?私は今、全国行脚と称して北は北海道から南は沖縄まで、東京の学校の状況を伝え、そして共闘の輪を作って行きたいと歩き続けています。

 3月24日に私の停職3ヶ月と、根津さんの停職6ヶ月の地裁判決があります。ここで両方の処分取り消しが勝ち取れないと大変なことになります。3月24日午後1時10分です。527法廷、時間が労働者にとってはきつい時間ですが、もし、スケジュールを合わせることができましたら、傍聴をよろしくお願いします。それから4・20全国集会のことですが今教職員組合の組織率がどんどん下がって、とにかくですね、学校の中で隣の教員を信用できない、密告が横行している、そういう中で現職の教員の人たちの声を聞こうということで今日ビラを配布させていただきました。4月5日には「予防訴訟を引きつぐ会」というところで「教育現場の課題を考える学習・討論集会」というのも計画しています。文京区民センター2時から5時です。先ほどの4・20全国集会(「許すな!『日の丸・君が代』強制 止めよう!安部政権の改憲・教育破壊 4・20全国集会」)と合わせて共に学ぶことができたらとてもうれしいです。よろしくお願いします。

 裁判費用の一端にしたく、ささやかな本を持ってきました。一つは学校は雑木林でいいんだ、みんな違っていいんだ、ということでなぜ私が「君が代」で起たないのかが書いてある本です。もう一つは「決してあきらめず雑木林の決意」という長い私の詩の本です。絵本になっています。その絵の原画展を小さなギャラリーでやったら、原画を買いたいと言う人が出てきた。そこで絵葉書ができました。今日は絵葉書も持ってきました。よろしくお願いします。