「乾坤一擲」(けんこんいってき)
安倍は、6月13日に強行成立させた改悪「国民投票法」による改憲を一方で狙いつつ、もう一方では閣議決定で「集団的自衛権の行使」を合憲とする「解釈改憲」を同時に狙っている。▼この「解釈改憲」にむけて安倍は、5月15日の「安全保障の法的基盤に関する懇談会(安保法制懇)」の報告書提出、それを受けた「基本的方向性」を示した記者会見につづき、5月20日からは閣議決定に向けた公明党との「与党協議」を加速させている。「平和の党」を騙る公明党は、戦争の片棒を担ぐ自らの正体を隠すために〝慎重姿勢〟を演じつつ、「離島防衛」をめぐった「自衛隊法」改悪への合意につづき、「閣議決定に合意できる条件を提示してくれ」と、「解釈改憲」への道を用意してやっている。▼「解釈改憲」で「朝鮮半島有事やホルムズ海峡で自衛隊が命を張っているのだから、労働者も協力しろ」と、戦前の「産業報国会」を再現させることを許してはならない。「残業代ゼロ化」制度導入の動きも労働者人民を犠牲にして資本が生き延びるという意味では「集団的自衛権の行使の合憲化」と本質は同じだ。▼巨万の国会包囲デモと全学連の国会突入の闘いによって、安倍の祖父・岸と自民党は、安保改定と同時に狙っていた「九条破棄」を核心とした改憲を断念せざるを得なかったと言われている。世論調査では閣議決定による「解釈改憲」に七割近くの人々が危機感を表明している。戦後の転換点に直面している労働者の危機感や怒りを行動に組織することに、われわれは全力を集中せねばならない。(木村)