3・31卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会
全水道会館で総決起集会
3月31日、午後1時30分より、全水道会館で四者卒入学式対策本部(「四者」とは「『日の丸・君が代』予防訴訟をひきつぐ会準備会」、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」、「『日の丸・君が代』不当解雇裁判をひきつぐ会」、「『日の丸・君が代』強制反対・再雇用拒否撤回を求める二次原告団」)が主催する「卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会」が開催された。
司会者のあいさつに続いて、四者卒入学式対策本部長の川村氏が、「今年の卒業式をめぐる状況」の報告を行なう。「今年の卒業式では、中学校で1人、都立高校で2人、特別支援学校で1人の教育労働者が不起立をして、処分を受けている。そのうち、3人は『戒告』だが、今回で6回目の不起立となった特別支援学校の田中氏には『減給10分の1』の処分が下された。この日の総決起集会には、処分を受けた当該の2人の仲間が結集している」「昨秋の賃金確定闘争の結果、『戒告は昇給幅一号、減給・停職は昇給なし』という改悪がなされ、『再発防止研修』の強化とともに『戒告』処分の内容はより重いものとなってきている」「卒業式にあたって、都教委は1月14日に『校長連絡会』を招集して、『不起立者』を絶対出さないことを確認し、『不起立者』への対応の仕方について事細かく指示を出している。さらに、『戒告』以上の処分も見据えて、不起立した教員の日頃の言動、職員会議での発言、同僚への働きかけの状況もいちいち都教委に報告するよう、校長に指示を飛ばしている」「(本部長・川村氏の職場では、)今年度の入学式では2人の『不起立者』が出た、ということで校長・管理職への都教委の圧力も相当なものであった。校長は何度も都教委に呼び出され、都教委の理不尽な教育への介入の結果、この校長は今年、定年を残したまま早期退職に追い込まれた」。
処分を受けた当該の仲間であるS氏は、今回で3回目の不起立となった。S氏は、「11年前は個人の闘いと思っていたが、状況が変わった。個人レベルではない。『10・23通達』の体制をなくすために闘っていきたい。この問題はもはや『歴史的』なものになっている。この問題も最後は歴史が裁いていくのだと思う。まだわたしは教員生活が8年残っている。まだまだ続くが、みなさんも覚悟していこう」と呼びかけた。
教育現場で強まる「君が代」攻撃、処分攻撃を粉砕しよう
特別支援学校の田中氏は、「3月18日の卒業式に起立・斉唱しなかったということで減給10分の1、1ヵ月という処分を受けた。卒業式・入学式合わせて、連続6回目の処分となった。3回までは『戒告』だが、それ以降はずっと『減給』処分を受けてきた。猪瀬が辞任して、次の知事に誰がなるのか確定していない段階から、都教委が卒業式での職務命令を早々と出している点については腹立たしい。私を支援してくれている人々を警戒しているのか、都庁での事情聴取についても場所などは直前になるまで明らかにしなかった。また卒業式当日は、主幹教員、そして教育庁から派遣された職員が『君が代』反対のビラまきなど地域で私を支援している人々の動静をビデオカメラまで設置して監視と介入に動いていた。『表現の自由』を侵す行為を公務員がやっている事態について憤りをもっている。職場では『10・23通達』後の状況しか知らない若い教員も多くなっている。なかなか難しいが、わたしはできる限り頑張っていく。共に闘っていこう」と決意を述べた。
今回の卒業式では、やむなく起立した教員I氏に対して、副校長が都教委に「服務事故報告」を上げるという事態が起きている。その経過についての報告を当該のI氏が行なった。結局、「文書戒告」という形での処分はなかったが、I氏は2014年度一年の担任に着任することになっていることから、都教委は入学式での「不起立」を阻止するために校長など現場の管理職に対して圧力をかけてきていることがうかがわれた。
当該の報告などについての質疑応答があった後、東京「君が代」第四次訴訟を起ち上げた原告の仲間が裁判傍聴と支援の要請を行なった。また、教育問題を扱う企画などの紹介があった後に「被処分者の会」の近藤徹事務局長から「4月4日の『再発防止研修』に対して抗議と該当者支援の行動に結集しよう」と行動提起がなされた。
〈東京・山谷日雇労働組合〉