「乾坤一擲」 (けんこんいってき)
原発の再稼働攻撃が、九州電力川内原発、関西電力大飯原発を焦点に強まっている。7月16日、「原子力規制委員会」は、川内原発について「新規制基準」に基づく実質的な合格証となる「審査書案」を示した。「審査書案」への1ヵ月間の意見募集の後、正式な「審査書」を九州電力に交付する。九州電力は、これをもって今秋の再稼働強行を狙っている。▼5月21日、福井地裁は大飯原発の運転差し止め訴訟で「経済活動より人命が優先される」という当然の理由で運転差し止め判決を下したが、翌日、関西電力はこの判決を確定させず、再稼働を強行するために「控訴審で原発の安全性を主張する」というコメントを出し、大阪高裁に控訴した。▼安倍政府は、原発輸出を「アベノミクス」の下での「成長戦略」の中心に位置付けている。そのために世界中で〝トップ・セールス〟を繰り返す一方、「原子力規制委員会」メンバーの首を電力資本から寄付を受け取っている露骨な推進派にすげかえることも行なっている。▼原発の新たな「安全神話」をデッチ上げ、再稼働を推進するために「原子力規制委員会」や「新規制基準」が作られたことは、「福島第一原発事故」の現場責任者であった所長・吉田の「吉田調書」を「原子力規制委員会」の委員長・田中が「読んでいない」と居直っていることでも明らかだ。▼原発労働者や原発周辺住民の被曝の深刻さなぞ、安倍や「原子力規制委員会」、電力資本は歯牙にもかけていない。こんな輩に労働者人民の生命を左右させてはならない。再稼働阻止の現地攻防の先頭に労働運動が起たねばならない。(木村)