「乾坤一擲」

乾坤一擲(けんこんいってき)

 

 安倍政府は、「集団的自衛権行使」に関連する20本近くの「戦争法案」について、今秋の臨時国会では上程せず、米帝との間での「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」の年末までの再改定を優先させようとしている。▼閣議決定で「解釈改憲」を強行し、強権発動で名護新基地建設―海底ボーリング調査に踏み込んだ安倍は、既成事実で労働者人民を屈服させるという、まさにファシスト的手法を強めているが、「戦争法案」に関しては、まず、「ガイドライン」再改定で陸自に〝殴り込み部隊〟と呼ばれる「水陸機動団」を創設し、その部隊を運ぶ「強襲揚陸艦」やオスプレイを配備し、自衛隊が朝鮮半島を〝やり放題〟に蹂躙することを、米帝に承認させたうえで、これらを担保する「戦争法案」を来年の通常国会に上程し、「対米公約だ」と押し出して翼賛「野党」の同意を取り付けようという魂胆なのだ。▼安倍は「ガイドライン」再改定でこれまでの「米軍が前線、自衛隊が後方支援」という日米安保の枠組みを破棄し、双務化した「攻守同盟」に再編することも狙っている。▼「臨時国会」では、6月に廃案となった派遣期間の上限を撤廃して派遣労働を永久化する「労働者派遣法」改悪案の再上程や「5年無期転換ルール」の「最大10年」への延長を狙う「有期雇用特別措置法」、「残業代ゼロ化」を狙った「労働基準法」改悪案の上程など戦争動員にむけた法案の成立を策動している。<反戦・反合・政府打倒>を鮮明にした労働運動の飛躍で安倍の悪辣な目論見を粉砕しなければならない。(山崎)