5・26 教育委員会制度解体阻止! 国会前行動
5月26日、午後2時から「都教委包囲・首都圏ネット(包囲ネット)」による国会前行動が取り組まれた。教育委員会制度の解体を狙う「地方教育行政法」改悪案が、今国会に上程された。4月から「包囲ネット」の仲間たちは、毎週月曜日に国会前に登場し、座り込みと情宣、フリートークを行なってきた。衆院で審議されていたこの改悪案は5月20日の衆院本会議で自民、公明、生活の3党による賛成多数で可決され、審議の舞台が参院へと移った。このため26日の国会前行動は、参院を真正面に構える参院議員会館前の路上において展開された。
この日もまず「包囲ネット」のA氏のアピールから始められる。A氏は、「首相・安倍は、『教育再生』を騙って教育への国家支配を強化しようとしている。そのとっかかりとして、教育行政の独立性の制度的な裏づけとなってきた教育委員会制度を自治体の首長の手によってコントロールしやすいように変えようとしているのだ。すでに教育委員会は、東京や大阪での『君が代』強制で端的になったように教育内容に不当な介入をしてきているが、その傾向がいっそう強化されていく」「最大野党の民主党は、政府案への対案を出しているが、それは『教育委員会制度』を完全になくしていくものとなっている。重要な問題でありながら、この問題で反対運動を展開しているのは残念だが、私たち以外にいない。しかし、私たちは黙っているわけにはいかない。国会前で反対の声をあげ続けていこう」と訴えた。
続いて、千葉の小学校に勤務する「包囲ネット」の仲間が発言に起つ。千葉の仲間は、「東京よりも保守的な地盤の中でも現場では教員たちが、民主的な教育実践を地道に取り組んできた。子どもたちの問題、教育の問題、それらをよく熟知しているのは現場の教員以外にいない」「わかりもしない管理職が口出しして現場を混乱させてきた」「長時間の勤務で教員は疲れ果てている」「教育委員会の任務は、現場の教員が子供たちと向き合う時間をちゃんと保障し、子供たちが生き生きと学んでいく環境を確保することだけだ」。 次に、「君が代」不起立処分を受けたF氏がリレートークを行なう。F氏は、「今の国会議員は本当に私たちによって選ばれた議員と言えるだろうか。国民世論を反映したものとはなっていない。国民の一票の格差が拡大して、司法ですら今の国会を『違憲』あるいは『違憲状態』と断じている。違憲の議員たちが憲法問題などを議論したり、決めていく資格なぞない」と痛烈に批判した。
東京・山谷日雇労働組合の仲間は、「景気回復、失業率の改善などが言われているが、山谷では長期の失業によって仲間たちはアブレ(失業)と野垂れ死にへと追いやられている。『非正規雇用』労働者を使い捨てにする安倍政府を倒そう。『集団的自衛権』をめぐる解釈改憲で戦争へと突撃する安倍政府を倒そう」とアピールした。
「包囲ネット」の仲間も、「大学で教授会の自治権を剥奪して学長の権限を強化していくための『学校教育法』の改悪についての議論も国会で始まっている」「安倍の教育破壊と国家支配を絶対に許さない」と決意を語った。
国会前行動の締めくくりにA氏が、「5月27日から参院・文部科学委員会での審議がスタートする。5月29日には参考人質疑も予定されている。予断を許さない状況を迎えている。終盤国会の6月に入っても、国会前での月曜行動に結集しよう」と行動提起を行ない、最後に、勤務を終えて国会前行動に駆けつけた「包囲ネット」の仲間の音頭で「教育委員会制度解体阻止!」「教育の国家支配を許さないぞ!」と力強いシュプレヒコールを参院へとたたきつけた。 <東京・山谷日雇労働組合>