6・9 教育委員会制度解体阻止! 国会前行動が闘われる
6月9日午後2時から「都教委包囲・首都圏ネット(包囲ネット)」の国会前行動が取り組まれた。参院では教育委員会制度解体の「地方教育行政法」改悪の審議が進行中だ。 この日も、参院議員会館前路上に集合した仲間たちが、アピールとリレートーク、座り込み行動で「教育委員会制度解体を阻止するぞ! 教育の国会支配を許さないぞ!」と怒りの声をあげていった。
まず、「包囲ネット」のA氏が、「『地方教育行政法』改悪によって、戦後教育の根幹となっている教育の自主性が奪われようとしている」「都教育委員会は、石原都政が始まって、現場に『君が代』強制を進めてきたが、教育への介入はそれ以降、どんどんと進行して、ついには都立のある工業高校では、生徒を自衛隊の基地に宿泊させて『防災』を名目にしながら体験入隊、訓練に動員している。事態はそこまで進んでいる」「私たちは、この都教委を批判し反対の活動を続けてきた。東京都は、本来の教育委員会制度を踏み外す教育行政を行なってきた。今回の『地方教育行政法』改悪は、全国の教育委員会が東京都に右に倣え、という状況を作り出してしまう」「悪法は絶対に長続きしない。改悪を阻止していこう」と訴える。
リレートークに移っていく。
まず「君が代」不起立処分を受けたF氏が、「教育とは教員がいろいろと調べた知識・事実を生徒に示し、生徒自身が自分で考えていく場でなければならい。政府の一方的な見解を鵜呑みにして伝えることはもはや教育とはいえない」「今日、私は母校の文化祭に顔を出してきたが、生徒たちが考えた企画を和気あいあいの雰囲気で楽しく進めている。しかし都教委の介入が露骨に進めれてきた結果、どんどん現場では活力が失われてしまった」「教育委員会は、もっと現場の教員、保護者が参加していける仕組みに変えていけば、児童・生徒のための学校が作っていけるのではないか」。
東京・山谷日雇労働組合の仲間は、「軍隊は決して労働者人民を守ることはしない。労働者人民に犠牲を押しつけて自分たちを守るのが軍の本質だ。沖縄戦でやった日本軍の行為をちゃんと歴史教育で子どもたちにつたえているのか。自衛隊や政府の宣伝の場に教育を利用させてはならない」「使い捨てにされる労働者を増やすための政策が安倍政府によって進められようとしている。労働者の生活を守っていくため団結をうち固めていこう」。
去年退職した小学校教員だったO氏は、「戦前の学校では、政府の方針に疑問をもって、同僚どうしで話をしたら憲兵隊にしょっぴかれてしまう。そのために真実も語れない窮屈なところが学校だった。その反省に立って新しい教育を目指すために戦後の歩みが開始された。私が最後に勤務した小学校の校歌は、戦後の民主的で自由な社会、武器をすてて平和な社会をめざそうと希望に満ちた歌詞でつづられている」と紹介し、「現在は学校で教員に業績評価を押しつけ、管理が強化され、再び物の言えない学校へと変えられてきている」と学校現場での「業績評価制度」の問題を鋭く批判した。
最後に、「包囲ネット」のN氏が、「国会では一つひとつ重要な法案がろくな審議もされないままに成立させられようとしている。しかし私たちは、警鐘を鳴らし続けていかなくてはならない。教育の国家支配に反対の声をたたきつけていこう」とアピールし参院にむかってシュプヒコールを叩きつけ、この日の国会前行動を終えていった。 <東京・山谷日雇労働組合>