乾坤一擲

乾坤一擲


 日本人2人を人質にした「イスラム国」は、1月24日に民間軍事会社経営者・湯川遥菜の殺害を伝える画像を、さらに2月1日には、もう一人のフリージャーナリスト・後藤健二を惨殺する画像をインターネット上に公開した。▼かの田母神俊夫や自民党右派人脈につながる湯川については、戦争ビジネスの商機と労働者人民殺傷の「経験を積む」ことを求め、立派な銃まで携えて現地に赴いたのであり、同情の余地はない。「ジャーナリストの鏡」のように言われている後藤にしても、湯川を「イスラム国」に送り込み、湯川が捕らわれると単身、救出に向かうという行為自体には釈然としないものが残る。▼その後、「イスラム国」が、後藤とヨルダンが自爆攻撃実行者として拘束している「死刑囚」のサジダ・リシャウィの交換をヨルダンに要求したことに対して、当然と言えば当然なのだがヨルダンが、「イスラム国」に拘束されているヨルダン空軍パイロットであるムアーズ・カサースベとの交換にこだわったことで、後藤とカサースベ、リシャウィのすべてが処刑されるという経過をたどり、結果、ヨルダンが「イスラム国」空爆を強化し、アラブ首長国連邦(UAE)が空爆を再開し、米帝がクルド人部隊を含むイラク軍に大規模地上戦を遂行させることを発表するに至っている。▼この一連の事態は、「集団的自衛権行使」を急ぐ安倍極右政府によって、あらかじめ仕組まれたものと考えることが妥当であろうと思われる。安倍極右政府による「戦争ができる国造り」を決して許してはならない。(木村)