2・20
トヨタ東京本社前、抗議行動
2月20日、午後1時30分から、東京・飯田橋のトヨタ東京本社正門前で抗議闘争が闘われた。
フィリピントヨタは、2001年に233人、2010年に4人の労働者を解雇した。解雇された労働者は、いずれもフィリピントヨタで働く従業員で結成されたフィリピントヨタ労働組合の幹部、組合員である。フィリピントヨタは、フィリピン国内の労働法に基づき組合を結成し会社との団体交渉権を獲得したフィリピントヨタ労組に対して、首切りを強行してきたのだ。この労組つぶしを狙った不当解雇に怒り、14年にわたってフィリピントヨタ労組は解雇撤回闘争を闘いぬいてきた。
日帝足下においては、この不当な解雇攻撃に対して、解雇直後より支援の活動が取り組まれ、その後トヨタ本社(東京、愛知)への抗議闘争へと発展してきた。
この日も、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会」)の一環としてトヨタ東京本社での抗議行動が展開された。
東京全労協の久保事務局長が主催あいさつを述べ、次に「フィリピントヨタ労組を支援する会」の山際代表があいさつする。山際代表は、「トヨタは、2014年度決算で、初の2兆円の純益を見込んでいる。しかしこの利益は、トヨタ一社のみの成果ではない。安倍政府の円安政策の恩恵で為替差益が増えた。また下請けへのコスト削減押し付け、さらには輸出大企業に認められている消費税の戻し税などだ。私たちの生活の犠牲のうえにトヨタの利益は拡大している。そのことをトヨタは真摯に受け止めるべき」「トヨタのフィリピン現地法人の行なっている首切りに対して豊田社長は責任をもってフィリピントヨタ労組の職場復帰を認めるべきだ」とアピールした。
全造船関東地協・早川事務局長のあいさつの後、「フィリピントヨタ労組を支援する会」の仲間がこの間の経過を報告する。それによれば、「2月18日、フィリピントヨタへの今年第一波となる行動が取り組まれた。『シェイム・オン・トヨタ(恥を知れ! トヨタ)』とスローガンを掲げた行動でマニラ市内で展開された。多数の組合員・家族たちが結集して大衆的な広がりを見せている」「フィリピントヨタはいまだに労組への交渉拒否の態度を取り続けているが、仲介役を担っている労働雇用省に対して国際労働機関(ILO)勧告にしたがって金を支払う素振りを見せてきているという。しかしトヨタ労組は、『組合切り崩しのための金だから受け取らない』とあくまでも解雇撤回を要求して闘う意志を示している」。
この日の午前中に日本のフィリピントヨタ労組を支援する団体(「フィリピントヨタ労組を支援する会」、「フィリピントヨタ労組を支援する愛知の会」)が東京本社への申し入れを行なったことも報告された。申し入れの内容は、「フィリピントヨタによる解雇問題は、団結権・団体交渉権を公認している国際条約に違反したもので、ILO勧告に従うようフィリピン現地法人を指導し、本社の責任を果たすこと」、また「トヨタが掲げる『グローバルCSR(企業の社会的責任方針)ポリシー』に明記した『労働者の団結権は当該国の法律の範囲内で認める』という制限条項をなくし、国際社会の規範として定着してきている労働者の権利を尊重せよ」というものだ。
「JAL不当解雇撤回争議団」の仲間が多国籍企業=トヨタの不当労働行為を批判し、フィリピン労働者への連帯の気持ちをこめたあいさつを行ない、約30分の抗議行動の締めくくりに「トヨタは237人の解雇を撤回しろ!」「フィリピンでの組合つぶし、組合弾圧を許さないぞ!」「フィリピン労働者と連帯して闘うぞ!」とトヨタ本社にシュプレヒコールを浴びせ、最後に「支援する愛知の会」の田中代表の「団結ガンバロー」の音頭で抗議行動を終えていった。 〈東京都地域連合労働組合〉