世田谷地区労事務局長・全労交呼びかけ人根本善之氏

世田谷地区労事務局長・全労交呼びかけ人

根本善之氏

 

 世田谷地区労で事務局長をやっている根本です。

 世田谷地区労は、私たちの職場であった清掃や全労連に参加している世田谷区役所など小さな組合を含めて約30の組合で組織しています。職人の組合である東京土建世田谷支部、5000人近い組合も参加をして地域活動をともに担っています。

 野田市から始まった公契約条例を9年越しの取組みの中で、昨年9月の世田谷区の第三定例区議会で自民党を含めて満場一致で可決成立させることができました。

 公契約条例というものについて、皆さんも新聞等でご存知かと思いますが、自治体が発注する契約についてその下でその仕事に携わっている事業者や、そこで働く労働者の、様々な諸権利をきっちりと守らせるというのが公契約条例の基本です。

 とりわけ、区が事業者と結ぶ公契約に関する基本方針と区長や事業者の責務などを定めるもので、公契約において、厳正な入札などの手続を実施し、労働者の適正な労働条件を確保し、事業者の経営環境の改善を図るなどを目的とした条例であるといわれています。 いままでそういうのがない中で、どういう状況におかれてきたのかというと、区が発注する様々な工事契約についても、区内には約1パーセントの人が、東京土建や建設ユニオンという労働組合に組織されているが、二次下請けや三次下請け、四次下請けというような形で、低入札のもとで、きちんとした賃金すら確保されない。そして、若年労働者については、そういう仕事に見向きもされなくなり、別の仕事についていくというふうなことで、職を離れていくというようなことが、ずーっとありました。

 そういうようなことをなくしていこうということで、世田谷地区労が東京土建、あるいは建設ユニオン、そして世田谷区の下請けを組織している区職労とも協力し合って公契約条例の懇談会を作り、様々な働きかけをしてきたのです。

  ――(略)――

 野田市をはじめ、10以上の自治体が公契約条例を作って施行しているわけですが、他の自治体については、首長のトップダウンで作った公契約条例です。しかしながら、世田谷区では、地域運動ということで、地域労働運動のひとつの型にしようということで、ようやっと作ったということが、大きな成果だと思っています。

 今後も、区内で働く未組織の労働者の組織化も射程にいれて、こういう公契約条例をもって、地域で働く人達が、生活できる賃金を獲得できるようなそういう地域にしていきたいといくために、この取り組みを進めていきたいと思います。どうもありがとうございました。