4・3「君が代」不起立被処分者に対する再発防止研修粉砕闘争

戦争協力への思想転向を強要する「研修」を弾劾して闘う
戦争協力への思想転向を強要する「研修」を弾劾して闘う

4・3「君が代」不起立被処分者に対する再発防止研修粉砕闘争


 東京都教育委員会は、2014年度卒業式でも全都の教育労働者に対して「日の丸」「君が代」を強制した。板橋特別支援学校の田中聡史氏は、「君が代」斉唱時に不屈に不起立で、都教委に対する抗議の闘いを貫いた。田中氏は、今回で連続8回の不起立闘争を闘ってきた。都教委は、田中氏に対して、司法ですら「減給以上の処分は違法」とせざるをえない減給処分を不起立4回目以降には執拗に繰り返してきている。

 都教委は、田中氏に対して3月30日付で減給10分の1・1ヵ月の不当な処分を発令し、さらには4月3日、東京都教職員研修センター(水道橋)に呼び出しての「再発防止研修」を強制的に受講させようとしている。

 4月3日、早朝から都教職員研修センター前には教育労働者をはじめ65人の労働者人民が駆けつけ、都教委に対する抗議と田中氏激励の闘いに起ち上がった。この日の行動には、東京・山谷日雇労働組合、そして東京都地域連合労働組合の仲間も合流した。

 午前8時20分、この日の行動を呼びかけた「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会(被処分者の会)」の岩木共同代表が司会を務め、早速、門前での抗議集会が開始される。集まった仲間たちが怒りのシュプレヒコールを立ちはだかる都教委職員に対して浴びせかけた。

 そして、「被処分者の会」の近藤徹事務局長は、「朝9時から昼12時半の長時間にわたって都教委側4人が田中さんを取り囲んで研修室に閉じ込めて転向をひたすら強要していく。まさに『君が代』不起立への物理的・精神的弾圧以外の何物でもない」「都教委は、東京地裁によって取り消された減給処分の現職8人の教員に対しても『戒告』の再処分を画策している。8人に対しては4月2日に再処分のための『事情聴取』が強要されている」「こうした都教委の違法・違憲の『研修』と処分に断固抗議していこう」と発言する。

 田中氏の「研修」開始に先立ち、「被処分者の会」、「河原井さん根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」、「君が代」処分関連の裁判を闘う平松弁護士がそれぞれ、「研修」中止を求める申し入れを行なったが、対応した研修センター総務部総務課長は、「要請の趣旨は伝えます。この場ではお答えできません」と繰り返すばかりだ。

 研修センターに到着した田中氏が、激励に駆けつけた人々に丁寧に会釈し、会場に足を運んだ。門前に結集した仲間たちは、「がんばれー」のシュプレヒコールで田中氏を送り出す。その後も、抗議集会は続行され、東京「君が代」訴訟の三次原告、同四次原告、東京・山谷日雇労働組合、都立高校の現職の教育労働者が連帯のあいさつを述べた。そして、「再発防止研修をやめろ」「都教委こそ反省しろ」「君が代強制を許さないぞ」とシュプレヒコールをあげ、午後0時過ぎに再結集することを確認して抗議行動を一端しめくくった。

 午後0時15分、再び研修センター前にて抗議集会を再開。「被処分者の会」の星野共同代表が、アピールし、そこに「研修」を終えた田中氏が抗議集会に合流した。

 田中氏は、「『研修』の内容は例年と同じ。『日の丸・君が代』で侵略戦争が行なわれ、多くの犠牲者が出た。この国が再び戦争への道を歩んでいるとき、起立ができないのは、公共の福祉から当然」と確信に満ちた決意を静かに語った。

 再び近藤事務局長が、「田中さんへのイジメ『研修』は、これからも続く。長期の『所属校研修』、月1回の教職員センターの指導主事による所属校訪問、そして6月~7月に2回目の『センター研修』が行なわれる。2回目の『センター研修』時には、ここに結集して『再発防止研修』抗議・該当者支援行動を取り組んでいく。田中さんを激励していこう」と呼びかけ、この日の抗議行動を締めくくった。

                           〈東京都地域連合労働組合〉