3・30
全国寄せ場・日雇い労働者
対厚生労働省団交、対日本経団連・日本建設業連合会(日建連)追及―弾劾行動
全国寄せ場交流会
3月30日、全国寄せ場交流会が呼びかける寄せ場春闘集中行動が東京で闘いぬかれた。
全国寄せ場交流会に結集する日雇い労働者が、帝国主義労働運動・「連合」の屈服を踏みしだく反戦・反合・政府打倒の2015年春闘の一環として、東京・山谷に結集し、全国寄せ場春闘集中行動に起ち上がったのだ。
アブレと野垂れ死にを押しつけるゼネコンに怒りが爆発
山谷の城北労働・福祉センター(センター)前での前段集会をやりぬいた仲間たちは、マイクロバス、ワゴンに分乗して、春闘集中行動の第一弾として八丁堀の日本建設業連合会(日建連)に向かって出発する。
日建連が入る東京建設会館前に集結した全国寄せ場交流会の仲間たちは、怒りのシュプレヒコールをあげ、直ちに交渉代表団の仲間を送り出していく。
交渉は、(1)元請けは現場労働者に公正な賃金を支払え(2)恒常的なアブレ(失業状態)に置かれている寄せ場にゼネコンは仕事を直接だせ(3)除染・建設業での違法派遣をなくせ、の3点をめぐって展開された。
全国寄せ場交流会の追及に対して日建連の常務理事・福田は、「私どもは、調査・研究を目的とする団体で、会員のゼネコンに対して指示・指導する立場にはない」と逃げを打った。仲間は、「日雇い労働者のデズラ(賃金)の額がどの位か知っているのか」と問いただす。しかし福田は、「調査をしていないので実態は知らない」などと開き直り、「下請けの専門業者に対しても、元請けから安い請負額での仕事はとらないようお願いしている。労働者も安い賃金の仕事は断ってください」などと言い出す始末だ。アブレに苦しめられている労働者はケタオチの仕事でも泣く泣く働かざるをえないのが現実だ。まったく実態を無視した福田の傲慢な言い草に対して交渉団の仲間の怒りが爆発した。また、福島での除染の仕事をめぐってもゼネコンの不正が明らかにされている。一日1万円の「危険手当」を現場の労働者が受け取っていない。除染を受注した元請けのゼネコン自らが下請けに仕事を出す段階で、すでにピンハネしているからだ。こうした問題を解決するためには「直接、ゼネコンが現場労働者に賃金を渡すべきだ」と福田に迫っていった。
交渉団の仲間たちは、約30分にわたって日建連を追及した。そして、外で情宣と集会をうちぬいている仲間と交渉後に合流すると、再び日建連に対して怒りのシュプレヒコールを叩きつけていった。
「仕事を出せ、『労働規制緩和』をするな」と厚生労働省を追及
日建連を追及する闘いをやりきった全国寄せ場交流会は、次に霞ヶ関に登場し、厚生労働省との団体交渉と追及の闘いを爆発させた。
午前10時半、厚労省の前の路上に赤旗を立てた仲間たちは、横一列に整列して厚労省と対峙する。「厚生労働省は失業者に仕事を出せ」「『労働規制緩和』を許さないぞ」とシュプレヒコールをあげ、各寄せ場から交渉に参加する仲間たちを選抜する。選抜された交渉団は、交渉の会議場に乗り込み、外に残った仲間たちは、「交渉団ガンバレー」と声援を送る。
厚労省との交渉では、(1)民間まかせではなく、国が失業者に直接、仕事を出せ(2)労働者の生活を破壊する「労働規制緩和」をするな(3)「貧困ビジネス」をなくし、失業労働者・野宿労働者への生活を保障せよ、という3点に絞って追及した。
アブレに苦しむ仲間たちにとって最も関心が高いのは(1)の失業対策だ。この問題をめぐって多くの仲間たちが質問と意見をぶつけていった。しかし厚労省は、「日雇いの人でも体力のある方にはハローワークが就職相談と斡旋を行ない、希望者には技能講習を実施している」「仕事は民間の労働市場を活用してください」という。仲間は、「これだけでは日雇い労働者の失業はなくならない。かつてのような失業対策事業でも、失業の解消には役立った面もある。いまの就職相談だけのやり方でどれだけ、失業対策に効果があったのか。根拠となるデータを示せ」とさらに追及した。厚労省の役人は「今は資料をもってきていないので答えられない」と逃げるばかりだ。
また、日本最大の日雇い労働者の町である大阪・釜ヶ崎では大阪市長・橋下が「西成特区構想」を推進しようとしている。その「構想」の下で「あいりん労働センター」の「縮小・移転」も狙われている。「あいりん労働センター」の入っている建物には厚労省が所管する「あいりん職安」も窓口を設けて業務している。この問題をめぐっては3月13日に、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」が国・大阪労働局と大阪府・商工労働部に対して要求書を突きつけ追及行動に取り組んできている。厚労省との団交でも、「大阪市との協議の事実経過を明らかにしろ」「労働行政の後退を許さないぞ」と追及していった。
交渉団の仲間たちは、厚労省の役人どもを約1時間半に渡って追及しぬいた。その後、外で抗議・情宣行動を闘う仲間と合流し、再びシュプレヒコールを厚労省に叩きつけて、厚労省前での行動を締めくくった。
日本経団連に日雇いの仲間の怒りが爆発
大手町の経団連会館の前に、全国寄せ場交流会の仲間たちが怒りに燃え、結集した。
まず、「日本経団連は労働者の使い捨てをするな」「生活できる賃金を出せ」「失業を押しつけるな」「日雇い労働者の声を聞け」とシュプレヒコールを叩きつける。
そして、用意した抗議文を読み上げる。「経団連は、1月20日付『経営労働政策委員会(経労委)報告』において『ベースアップは選択肢の一つ』と述べ、一律のベア要求は『実態にそぐわない』と切り捨てている。また『デフレ克服のため』と称して更なる『物価高と消費増税』を礼賛し、安倍政府の尻押しをして、『法人税の減税、規制緩和、原発再稼動のエネルギー政策』を要求している」「その一方で、『労働者派遣法』によって『雇用は拡大する』『キャリアアップが図れる』などとデマを並べて、日本の労働者の九割を『非正規』にすることを狙っている」「企業が貯め込んだ内部留保金は2013年度時点で328兆円にものぼっている。10年間で内部留保は1・6倍にも拡大した。この間、年収167万円以下の『働く貧困層』が2000万人を突破した。労働者人民の窮乏化の犠牲の上に日帝ブルジョアジーは、富を独占して肥え太ってきたのだ」「さらには、安倍政府と一体となって原発輸出、武器輸出を推し進めて金儲けに利用しながら日帝の戦争政策を支える役を務めようとしている」「このような労働者に対する悪辣な攻撃を仕掛ける日本経団連を弾劾する。そして春闘つぶし・春闘破壊を絶対に許さない」。
抗議文を読み上げた代表の仲間を先頭に、全国寄せ場交流会の仲間たちは正面入り口に押し寄せた。そこでは、数人のガードマンが仲間の行く手をさえぎろうとして立ちはだかった。「通せ」「日本経団連に用がある」と仲間たちがガードマンに詰め寄る。しかしガードマンは、「文書は郵送でお願いしています」「入れるわけにはいきません」と妨害してくる。仲間たちは、日本経団連側の対応にさらに怒りを倍加させていった。そして、「日本経団連は出てこい」「おれたちの声を聞け」とシュプレヒコールをあげ、弾劾の闘いをやりぬいた。
その後、経団連会館の近隣にある公園に移動し、集約の集会をもった。仲間が、集約提起を行ない、締めくくりに「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間の音頭で「団結ガンバロー」を三唱しこの日の闘いを終えていった。