乾坤一擲(けんこんいってき)
4月9日に2015年度予算が成立したことを受けて、国会の焦点は、「戦争法」=「集団的自衛権関連法」案を含む「安保法制関連法」案の成否に移った。安倍は、4月27日に日・米の外務・防衛閣僚の会議で「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の改定を決定させ、翌28日に訪米し、オバマとの会談で日米安保が「希望の同盟」になったと謳い上げ、米議会で「夏までに『安保法制関連法』案を成立させる」と演説した。▼これを受けて、国内では自民党が「演説は国際公約だ」と言い始めている。「既成事実」を前面に押し立てて翼賛政党を同調させ、「戦争法」成立をゴリ押ししようという魂胆だ。「戦争法」案は、「自衛隊法」や「武力攻撃事態法」など10本の「関連法」を一括して改悪する「平和安全整備法」案と、いわゆる「海外恒久派兵法」としての「国際平和支援法」案の2本で上程される。▼安倍は、国会で「安保法制関連法」案を「戦争法」と言われたことに対して撤回を要求したり、オバマとの共同記者会見で「『戦争に巻き込まれる』はレッテル貼り」なぞといっている。だが、「集団的自衛権の行使」を可能にするというということは、日本が攻撃を受けなくても、「巻きこまれる」どころか、呼ばれなくても「他人のケンカを買う」というものであり、「世界で戦争できる国」へと国家改造を図るものだ。▼すでに上程されている「労働基準法」改悪案なども、戦後労働運動にとって「労働者保護法制」として一定の役割を果たしてきた労働法を激変させ、戦時国家体制を形成するためのものだ。戦争突撃に対決する労働運動の真価が問われる局面だ。全力で闘いぬかねばならない。(木村)