世界の労働運動
4・24ゼネストを闘い、6月2次ゼネストに向う韓国労働者
4月24日、韓国・民主労総は、(1)「さらにやさしい解雇、さらに低い賃金、さらに多くの非正規職」を狙う朴槿恵の労働者殺し政策粉砕(「労働市場構造」改悪廃棄)、(2)公的年金強化および公務員年金の改悪中断、(3)最低賃金1万ウォン争奪、(4)「勤労基準法」全面適用および「労組法」第2条改正、すべての労働者の労働基本権争奪を掲げてゼネストを闘った。民主労総に所属する組合員69万人のうち26万人が今回のゼネストに参加し、全国17の都市でゼネスト集会を闘った。
朴槿惠政権は、「労働市場の二重構造を解決する」「正規職労働者の雇用の硬直性が強く、企業が新規採用をしないので、 通常解雇要件を緩和する」と言い、「一般的な雇用解約基準および手続きに関するガイドライン」と称する「解雇ルール」を制定しようとしている。この攻撃のモデル事業場となっている現代重工では「低成果者解雇」なるものが強行され、前代未聞の大量解雇が続いている。現代重工資本は、労働者に勝手に等級を付け、C等級やD等級などの低い等級を理由にし、手始めに課長級以上の中堅社員に「希望退職」という名目での退職強要を行い、それに応じない労働者には業務で使うパソコンを一方的に撤去し、業務から排除している。この手口は数年前に日本で問題となった日本IBMの「ロックアウト解雇」と同様の手口だ。この「低成果者解雇」で現代重工は、1500人の事務職労働者を解雇している。さらに退職強要に屈しない労働者に対しては、日本での国鉄分割・民営化の際に使われた「人材活用センター」への収容と同様の手口も使われている。
現代重工での攻撃は、韓国資本と朴槿惠政権による労働運動解体と「解雇自由化」「低賃金化」「非正規化」の攻撃の一端にすぎない。教育労働者で組織する「全教組」への「法外労組」化攻撃や、「金属労組」などでの民主労総からの脱退強要、「サムスン電子サービス労組」に対する不当労働行為などの労組解体攻撃が吹き荒れている。そのすさまじさは、朴槿惠が政権に就いてからの2年半の間に労組弾圧や整理解雇、「非正規職」での生活不安などが原因となった労働者の自殺が20人にも達するという事態にも表れている。この攻撃を打ち破るものとして4・24ゼネストは設定された。
4・24ゼネストには、14の加盟組織の所属する2829ヵ所の事業場と、16の地域本部に所属する97の事業場の労働者が起ち上がった。ストライキには「金属労組」などの製造部門の労働者、「建設産業連盟」所属の建設労働者、「公共運輸労組」所属の学校「非正規職」および大学病院の労働者、「民主一般連盟」の清掃労働者、「非正規職」労働者などが決起した。また、スト権が認められていない教師と公務員も、集団年次休暇や総会開催などの方式でゼネストに合流した。 「全教組」はこの日、3000人の教師が集団年次休暇闘争に突入している。「公務員労組」所属の組合員6万人も「支部別非常総会」を開く方式でゼネストに合流した。全国17ヵ所で闘われたゼネスト集会では、「非正規職が1000万人を超え、最低賃金労働者は300万人を超えている。 労働者の力で朴槿恵政権を打倒しよう」「労働者たちがゼネストでこれまで奪われてきた権利を取り戻そう。 反労働、反民主、反民生の賄賂政権をはね除けよう」「労働者をみな殺しにする朴槿恵政権を審判しよう」「総雇用保障と間接雇用撤廃のために闘争しよう。 非正規職のない、労働基本権を享受できる世の中を作ろう」といった資本優遇策と労働者使い捨てを強める朴槿惠政権への怒りと闘いへの決意の発言が相次いだ。つづいて、5月1日のメーデーでは、ソウル市庁広場に全国から5万人が結集して「朴槿惠政権を終わらせる闘争」を宣言し、大統領府・青瓦台に向けたデモは、警官隊がデモを阻止するために設置した車壁や催涙液や消火器の乱射と対峙して闘いぬかれた。
4・24ゼネストを闘いぬいた民主労総は、5月14日に「5次ゼネスト闘争本部(中央執行委員会)代表者会議」を開き 「政府が就業規則の不利益変更、一般解雇基準の緩和などの労働市場構造改悪を一方的に強行することが予測される時は、 直ちにゼネストに突入する」と全員一致で決定した。民主労総は、「2次ゼネストは、1次ゼネストで現れた限界を補完し、ストライキ週間を設定し、製造、建設、年金、「非正規職」などの部門別・課題別ストライキから対政府闘争戦線を拡大し、下半期汎国民総決起を実現する」という計画の下に闘いを強化する方針を打ち出している。