2015年山谷メーデー集会をかちとる
東京・山谷日雇労働組合
台東区清川区民館でメーデー集会
5月1日、東京・山谷日雇労働組合は、台東区清川区民館において山谷メーデー集会をかちとった。集会は、多くの山谷労働者、支援の仲間が結集し闘いとられた。
午後1時、司会の仲間が開会のあいさつを行ない、集会冒頭、シュプレヒコールをあげる。
まず、山谷メーデー集会に対して、元国鉄労働者で全国労働組合運動交流会(全労交)の顧問の佐久間忠夫氏の連帯メッセージが紹介された。佐久間氏は、「メーデーの日だから、ひとりひとりでは弱い労働者が資本に対して闘っていくための団結、労働組合の存在意義をあらためてかみしめていってほしい」「一日でも早く健康を取り戻し、そしてまた再び、山谷の地を訪れ、皆さんと会える日が来ることを待ち望んでいます」。
次に、全国の寄せ場でメーデー行動に取り組んでいる各日雇労働組合、労働団体からの連帯アピールが代読された。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は、「釜ヶ崎春闘で俺たちは、大阪労働局(国)、大阪府・大阪市に『仕事を出せ!』と要求してきました」「大阪市長・橋下のすすめる『センターの縮小・移転』(『西成特区構想』)を絶対に許してはなりません」。福岡・築港日雇労働組合は、「『アベノミクス』の『国家戦略特区』の『グローバル創業・雇用創出特区』に選ばれた福岡市は、『解雇自由化』『残業代ゼロ化』『生涯非正規化』を労働者に押しつける役を、全国に先駆けて買って出ている」。沖縄・首里日雇労働組合は、「沖縄でも安倍政府の攻撃が強まっています。沖縄防衛局は、海上保安庁や機動隊の暴力を使ってわれわれの抵抗を抑え込み、名護新基地建設に向けた海上工事を強行しています」「われわれ沖日労は、4・28『屈辱の日』の『県民集会』に結集し闘いました。本日は、5・1メーデー団結交流会を開催し、さらなる闘いに撃って出る決意です」。
東京・山日労が基調を提起
山谷メーデー集会にかけつけた東京都地域連合労働組合が連帯あいさつを行なう。東京の仲間は、「私たちは、金町一家解体を掲げ闘う山谷の日雇い労働者と連帯して、毎週金曜日の朝行動、越年・越冬闘争や山谷夏祭りに結集してきました」「今、安倍政府と日本経団連は、使い捨てできる労働者を増やすために『九割非正規化』の攻撃を仕掛けてきています。『労働者派遣法』改悪や『残業代ゼロ』化などの『労働規制緩和』を阻止していこう」「全労交の前進をかちとって、『連合』『全労連』を超える新たな日本労働運動の結集軸を建設していこう」と訴えた。
東京・山日労が山谷メーデー集会の基調を提起する。基調ではあらためてメーデーの持つ意義を確認した上で、「安倍政府が昨年7月、『集団的自衛権の行使』容認の閣議決定に踏み込んできた。連休明けの国会では、自衛隊の海外派兵の拡大や米国をはじめとした帝国主義諸国の軍隊と共同で先制攻撃に突撃していく『安保法制』など戦争立法が準備されている。また労働者の命と生活を破壊し、資本による搾取を極限的に進めていく労働法制の改悪が狙われている。こうした攻撃に反撃していくために『反戦・仕事よこせ』の闘いをいっそう強化していくことが必要だ。しかし、『連合』なんぞは、日帝資本の『武器輸出』『原発輸出』に加担することで全世界の労働者に敵対している。『連合』を超えた日本の労働者の闘いと団結で、戦闘的そして革命的な労働運動をうみだしていこう。全国労働組合運動父流会の一肩の拡大をめざしていこう。おれたちもっとも虐げられている労働者こそが、労働者の解放を目指してその先頭で闘っていこう」「東京・山日労は3月初旬より、春闘要求書を作成して、手配師・業者への配布を行なった」「3月30日には、寄せ場春闘集中行動として、全国寄せ場交流会の隊列で、日本建設業連合会(日建連)、厚生労働省との団体交渉を闘い、日本経団連を弾劾する闘いをやりぬいてきた」「ギリシア労働者人民のストライキ決起、また『新自由主義』の経済政策で『成長』してきた『新興市場国』では労働者の暴動・反乱の波が高まっている。米国、欧州連合(EU)などでも国家・資本に怒るゼネスト・デモ・街頭闘争が続いている」「おれたち日雇い労働者も、全世界労働者人民の闘いと連帯し、『国境』をこえた団結をつくりあげていこう」。
団結を打ち鍛え、「反戦・仕事よこせ」の闘いの爆発を
休憩をはさんで、後半は「山谷(やま)―やられたらやりかえせ」が上映された。この映画は山谷労働者の闘いの歴史を描いたドキュメンタリーだ。この日の山谷メーデー集会の参加者の中には、山谷にやってきてまだ日が浅い仲間も多い。このため、金町一家との熾烈な攻防を追った迫力ある映像にみんなが釘付けとなった。そしてあらためて、金町一家解体戦としての毎週金曜日の朝行動や2・11「建国記念の日」粉砕の山谷朝行動を貫徹していく意義を再確認していった。
上映の後、山谷における東京都行政の「仕事減らし」などの攻撃について、仲間たちが討論を交わす。「寄せ場春闘では春闘への要求書に回答を示した業者が少なくなっている。その対策として、業者・手配師に迫っていくために山谷労働者の団結の強化がいっそう求められている」「東京都就労対策事業では2年連続で賃上げがなされたが、城北労働・福祉センター(センター)の事業予算が削られ、4月時のセンター登録労働者が去年の約6割にまで減っている。山谷対策の縮小がねらわれている」などが指摘され、都行政に対して「仕事よこせ」を軸に追及の闘いを取り組んでいくことが提起された。
司会の仲間の音頭による「団結ガンバロー」三唱で山谷メーデー集会は、閉じられた。 建設業界では「労働力不足」が叫ばれながら、山谷では4月に入って、土建業者による民間求人の件数は「ほぼゼロ」の状態が続いている。さらに、東京都特別就労対策事業の仕事が雨のために4日間、中止に追い込まれている。このため仲間たちがいっそうアブレ(失業)と野宿に苦しめられている。仕事がしたいという労働者がいるにもかかわらず、玉姫職安やセンターは日雇い手帳や「利用者カード」を発行しないために、仕事の紹介・斡旋を受けられない仲間が出ている。玉姫職安やセンターによる日雇い労働者の切り捨てを絶対に許してはならない。東京都に対して、玉姫職安に対して、「仕事よこせ」「仕事をつくれ」の闘いを爆発させていこう。