「乾坤一擲」

乾坤一擲 (けんこんいってき) 


 安倍が5月15日に上程した「戦争法」案=「安保法制関連法」案を7月16日に衆院で強行採決した。「ウソ八百」。「審議は尽くした」「理解は深まった」という常套文句を使っているが、国会審議の実態は、安倍のウソと居直りの連続であり、「法」案には論理や基準が一ミリもないことが明白になった。自分たちが呼んだ憲法学者から「違憲」と指摘されてあわてふためき、反論できずに「政治家の責任」で「反論」したり、公明党との合意のために一度は引っ込めた「砂川事件判決」を合憲の根拠にしたりということの繰り返しだ。最後のセリフは、「私が首相だ。私が決める」なのだろう。▼「類は友を呼ぶ」。安倍の盟友で御用作家・百田尚樹の「沖縄の二つの新聞社を潰さねば」なる発言や、それに同調する自民党若手議員の「マスコミを懲らしめろ」なる発言には、このことわざがピッタリだ。「戦争国家」を目指す連中には報道統制など「当たり前」のことなのだ。▼「党利党略」。これらを文字通り「後方支援」しているのが翼賛政党だ。大阪・釜ヶ崎の寄せ場解体攻撃を仕掛けようとして「大阪都構想」を否決された「維新の党」は、安倍に採決の口実を与えるために、「対案」提出をめぐって自民と民主の間を蠢いている。▼われわれは歴史的な岐路に立っている。労働者人民の怒りとはまったく無縁であり、政党の存続、議席の確保だけに固執する翼賛政党ともども戦争法案を葬り去る闘いの爆発に向けて、7月から9月を全力で闘おう。(山崎)