6・18 トヨタ東京本社門前闘争

   トヨタの海外での労組破壊を追及する労働者たち
   トヨタの海外での労組破壊を追及する労働者たち

6・18フィリピントヨタ労組二三七人の解雇を撤回せよ

トヨタ東京本社門前闘争


 6月18日、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会」)の一環として、トヨタ自動車資本による組合潰しを狙ったフィリピントヨタ労組237人の解雇撤回をせまる門前闘争が闘われた。

 午後1時50分から始まった飯田橋のトヨタ東京本社に対する門前闘争は、結集した労働組合の旗が林立するなか、「けんり総行動実行委員会」の纐纈氏の主催者あいさつから始まった。纐纈氏は「国会では『労働者派遣法』改悪案などの労働法制改悪が狙われている。いっぽうトヨタは2014年度決算で過去最高の2兆円もの利益を計上している。この利益は労働者を犠牲にして上げた利益だ。労働者が労働組合を結成することは当たり前の権利であるにもかかわらず、トヨタは労働組合を作った途端に組合員を解雇した。解雇撤回を要求する団体交渉にも応じず、大企業としての責任を取らないトヨタに労働者の怒りの抗議行動を闘おう」と呼びかけた。

 つづいて「フィリピントヨタ労組を支援する会」の山際氏がマイクを取り、「一昨日はトヨタの株主総会だった。トヨタは巨額の金を注ぎ込み2020年東京オリンピックの公式スポンサーの地位を手に入れている。2014年度決算で計上した2兆円の利益の中味は、輸出型の大企業を優遇する『もどし消費税』などによるものだ。トヨタが作る車は『いい車』と言われているが、働く者を大事にすることなしにトヨタの未来はないということを突き付けていこう。国際労働機関(ILO)からフィリピントヨタ労組問題で何度も勧告を受けているフィリピン政府はとっても困っている。仲介を行なっている労働雇用省の要請に対して、トヨタは『現地のことは現地で』と言って無視を決め込んでいる。アメリカでトヨタ車のリコール問題が起きた時に、豊田章社長はすぐさまアメリカに飛んでいって謝罪したが、『開発途上国』に対してはデカいツラをしている。トヨタは姿勢を改め、フィリピントヨタ労組が要求している解決内容を受け入れることを求める」と訴えた。 

 全造船関東地協・早川事務局長のあいさつにの後、「フィリピントヨタ労組を支援する会」の事務局からこの間の経過が報告される。「6月16日のトヨタの株主総会に対して2000枚のチラシを配布した。9月後半にはフィリピントヨタ労組の代表が来日する。フィリピンでは5月21日に定例の毎月1回の行動を闘った。フィリピン政府の労働雇用省は労組の100人の解雇者との懇談に応じている。これからもトヨタを包囲していきたい」と報告と決意を明らかにした。

 トヨタ資本は、仲介役を担っているフィリピン労働雇用省に対してILO勧告に従って金を払う素振りを見せてきているという。しかし、フィリピントヨタ労組は、「組合切り崩しのための金は受け取らない」と、あくまでも解雇撤回を要求して闘う意志を示している。途中から振り出した雨を衝いて闘われた対トヨタ東京本社門前闘争は、行き交う労働者の注目のなか、最後に「トヨタは237人に解雇を撤回しろ!」「フィリピンでの組合つぶしを許さないぞ!」「進出先での労働者の人権を守れ!」「フィリピン労働者と連帯して闘うぞ!」とシュプレヒコールをトヨタ資本に浴びせ、行動を締めくくった。

                                        〈東京都地域連合労働組合〉