乾坤一擲 (けんこんいってき)
「安保法制関連法」=「戦争法」制定をめぐる闘いが最終決戦を迎えているが、この「戦争法」に沿った自衛隊の実戦化が急速に進んでいることを見逃してはならない。安倍が「戦争法」で想定している朝鮮半島での戦争に向けて、日・米、日・韓は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を敵とした急襲上陸作戦の訓練を繰り返し、軍事情報の共有化を進めている。▼8月12日に、沖縄・伊計島近くの太平洋上で墜落した米軍ヘリには、陸自「中央即応集団」の隊員2人が搭乗していたことが判明している。「中央即応集団」は、「専守防衛」を踏み越えて専ら海外での軍事行動を行なうために作られた〝戦闘集団〟だ。▼8月31日からカリフォルニアで始まった水陸両用作戦訓練「ドーン・ブリッツ」の総合訓練には「中央即応集団」や、「日本版海兵隊」=「水陸機動団」へと編成される陸自西部方面隊などが参加している。▼さらに、海上自衛隊と海上保安庁が武力攻撃に至らない、いわゆるグレーゾーン事態を想定した初の共同訓練を7月に伊豆大島沖で行なっていたことが判明している。また、「歴史問題」で対立する日・韓だが、韓国国防省は、10月に、海上自衛隊が相模湾で実施する観艦式に、海軍艦艇一隻を派遣すると発表している。▼このように、日・米・韓は、「戦争法」成立を待たずに実戦化を強行しているのだ。翼賛国会粉砕の闘いとともに、在沖米海兵隊の実弾砲撃移転演習や自衛隊のソマリア、南スーダンへの派兵と対決してきた反戦闘争を強化しなければならない。(木村)