乾坤一擲
安倍政府が「安保法制関連法」=「戦争法」成立をもって戦時国家体制を作るために突き進んでいる。「集団的自衛権行使」の決定機関として「国家安全保障会議(日本版NSC)」を前面化させ、憲法を一部停止し、首相に権限を集中させる「国家緊急権」を手中にしようとしている。また、内閣改造で「特定秘密保護法」に関連する人事を決定し、労働者人民による検証を一切経ずに開戦するための体制を作ろうとしている。▼自衛隊の実戦軍化をめぐっては、南スーダンにPKO派兵する陸自部隊に対して、新たに「駆け付け警護」の任務を加えようとしている。「駆け付け警護」を手始めに、自衛隊を制約なき軍事行動が可能な労働者人民虐殺の部隊へと作り変えようとしているのだ。そのために防衛相・中谷は、「部隊行動基準」(ROE)の見直し作業を開始せよと指示した。▼とりわけ、朝鮮半島での開戦にむけた米軍と自衛隊の強化は急ピッチだ。米軍は、横須賀に世界最大級の原子力空母「ロナルド・レーガン」を入港させ、「殴り込み部隊」を輸送する新型輸送機・オスプレイの運用を強化している。自衛隊は、「日本版海兵隊」=「水陸機動団」の編成に向けて「水陸両用車」の導入を急ぎ、米軍との共同演習を繰り返している。▼今こそ、全労交が、「戦争法」賛成派の「連合」や、「国民連合政府」を提案して階級的労働運動への敵意をむき出しにする全労連を超え、自衛隊の実戦軍化を粉砕し、戦争翼賛の「産業報国会」型労働運動育成攻撃を粉砕する闘いの最先頭に起たねばならない。(木村)