「乾坤一擲」
安倍政府は、昨年の「労働者派遣法」改悪につづいて、通常国会で「残業代ゼロ化」にむけた「労働基準法」改悪を強行しようとしている。労働法制の改悪は、これにとどまらない。昨年10月末には、厚生労働省が、「解雇の金銭解決制度」導入にむけた検討会を開始している。「金さえ払えば首切り自由」にするための制度を作るために、早晩、国会に関連法案が上程されるのは必至だ。▼2016年春闘をめぐっては、安倍政府、日本経団連、「連合」だけでなく、日銀までが加わって「消費拡大のための賃上げ」の大合唱を開始している。「アベノミクス」の下での春闘が3年目を迎えるにもかかわらず、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費が増えないからだ。「企業の収益が上がれば、賃金も上がる」という「トリクルダウン」が起きず、安倍や日銀・黒田は「アベノミクス」の最後的な破産宣告を回避しようとあがいているのだ。▼日銀総裁・黒田は、1月5日の「連合」の新年交歓会で「消費拡大のための賃上げを実現しよう」と呼びかけ、「連合」会長・神津は、「日銀だけに任せてはおけない。世の中全体の力合わせが必要だ」と応じた。▼「賃上げ」を仮装想するために、中小企業の労働者、「非正規雇用」労働者の賃金分を吸い上げ「大企業正社員クラブ」に属する労働者に付け替えて、「春闘で賃上げ」なぞというペテンを許してはならない。労働苦、生活苦で呻吟する労働者と結びつき、「大幅賃上げ獲得」「労働法制改悪阻止」を掲げた2016年春闘を闘おう。 (木村)