「乾坤一擲」

 「乾坤一擲」(けんこんいってき)

 

 安倍は、6月の参院選で「圧勝」し、「緊急事態条項」の導入を手始めに、「九条破棄」を核心とする本格的改憲に踏み込もうとしている。そのために、労働者人民に対する牙を隠し、「国民の支持」を演出して改憲攻撃に突き進むという策略を練っている。その一つが来年4月の消費税増税を延期し、その是非を焦点にして衆・参同時選を行なうというものだ。▼1月に始まった国会であれほど改憲の決意を繰り返していたが、3月に入ると、自民党大会でも「改憲」には一言も触れなかった。また、「共謀罪」新設などの治安・弾圧立法や、「残業代ゼロ化」にむけた「労働基準法」改悪などの労働法制改悪も一旦引っ込めると報道されている。▼沖縄・名護での新基地建設をめぐった知事・翁長との「和解」―工事中断も、「参院選で沖縄での新基地建設は支持された」とデッチ上げ、参院選後に海上保安庁や警視庁をはじめとする全国の機動隊による国家暴力によって本体着工の強行を狙うものであることは明らかだ。▼選挙で勝つためには、ヒットラーばりに平然とウソをつくのが安倍だ。〝中国ショック〟で「株安・円高」が進行し、資本が収益悪化に直面すると、途端に「トリクルダウン」や「賃上げ」を口にしなくなり、代わりに言い出したのが「同一労働同一賃金による格差是正」だ。本音は、「格差是正のために正社員をなくせ」だ。ウソと強権行使で戦争を支える国内体制作りを狙う安倍の野望を打ち砕く労働運動が今こそ求められている。(木村)