1・10 佐藤さん虐殺31ヵ年 山岡さん虐殺30ヵ年弾劾!金町一家解体!
日雇い労働者全国総決起集会・デモが闘われる
全国で越冬闘争をやりぬいた寄せ場・日雇い労働者が山谷に結集
2015~2016年越年・越冬闘争を全国の寄せ場で闘いぬいた日雇い労働者、支援の労働者たちが1月10日、東京・山谷に結集し、佐藤さん・山岡さんを虐殺した天皇主義右翼ファシスト=金町一家に対する報復の闘いに起ち上がった。
1984年当時、金町一家による山谷支配の策動に反撃して日雇い労働運動が大きく躍進しつつあった。そのことに危機感を抱く金町一家は、山谷支援のためにドキュメンタリー映画を準備していた映画監督・佐藤満夫さん、そして山谷争議団の中心的なメンバーだった山岡強一さんを相次いで虐殺した。これに対して山谷労働者は金町一家に対してすぐさま怒りを爆発させ、泪橋交差点から「山谷通り」一帯に怒りの炎を燃え上がらせた。
東京・山谷日雇労働組合は、日雇全協・山谷争議団が対金町戦を放棄する中で、毎週金曜日の朝行動、そして2・11「建国記念の日」粉砕の山谷朝行動を貫徹してきた。
1月10日の闘いは、まだ夜が明けきらない午前6時からの玉姫公園周辺での情宣から始まった。東京・山日労の組合員は、「城北労働・福祉センター」(センター)前に集合すると、すぐさま闘争の呼びかけのために「山谷通り」から玉姫公園へと、ビラを配りながら移動し、山谷労働者に午前10時からの集会とデモへの結集を呼びかけていく。越年・越冬闘争で活躍した労働者たちには、すでに当日の闘いのことは知れわたっている。「時間になったら行くよ」という返事が次々と返ってくる。情宣を終えてセンター前に戻る頃には、大阪・釜ヶ崎や福岡・築港で越年・越冬闘争をやりぬいた日雇い労働者たちが、次々と車から降り始めている。
午前8時半、センター前を埋め尽くした労働者たちが、「ワッショイ」の掛け声とともに玉姫公園へと進撃を開始する。「無届けデモはさせない」と言って弾圧を狙っていた警視庁―浅草警察は、労働者の気迫に圧されて何一つ手出しはできない。山谷の主人公は労働者だということを堂々たる「ワッショイ・デモ」で示した労働者たちは、すでに玉姫公園で待っていた労働者と合流し、ただちに集会準備に取り掛かる。集会場の正面には佐藤さん、山岡さんの遺影が設置され、各寄せ場の組合旗、支援の労組の組合旗が横一列に並んだ。
午前10時、司会から集会の開始が告げられる。司会に起った福岡・築港日雇労働組合の委員長が「安倍極右政府が『安保法制関連法』=『戦争法』の制定を強行したことによって、右翼ファシストが勢いづいている。対ファシスト戦の先頭に起ってきた寄せ場労働運動が、金町一家解体戦を完遂することで右翼ファシストとの闘いの勝利の道筋をつけよう」と呼びかけ、集会開始に当たってのシュプレヒコールを全員であげる。つづいて、佐藤さん、山岡さんの遺影に向って参加者一同が黙祷をささげる。
玉姫公園で報復を誓って総決起集会
黙祷につづいて、この日の闘いに寄せられた連帯メッセージが司会から紹介される。沖縄・首里日雇労働組合は、「沖縄では、『貧困率』も、『非正規雇用率』も、『ワーキング・プア』と呼ばれる働く貧困層の割合もダントツの『全国一』です」「これが『オール沖縄』の大合唱の裏で進んでいる実態です。翁長『県』政とブルジョア支配のもとでは、沖縄労働者階級は、もはや生きていくことができません」「沖日労は、名護新基地建設実力阻止決戦への決起を軸に、この2016年において、反戦・反失業闘争の大爆発をかちとっていく決意です」。元国鉄労働者であり全国労働組合運動交流会顧問の佐久間忠夫さんからは、「私は、入院生活が続いていますが、山谷の玉姫公園やドヤ街を歩いたことをなつかしく思います」「日本社会は悪い方向に向っていますが、それを止められるのは、労働者一人一人が主体的に考え、結集する労働組合だと思います」「勢いづく右翼などの動きに対して、労働者の未来をかけた闘いとして、本日の闘いの成功を祈っております」。
東京都地域連合労働組合、神奈川県地域連合労働組合、全国学生社会思想研究会連合からの連帯あいさつが行なわれる。東京都地域連合労働組合は、「山谷の越年・越冬闘争に連帯し、炊き出しや防衛などの支援を行ない、共に闘いぬきました」「安倍は、参院選後に『緊急事態条項』導入のための改憲に打って出ようとしています。絶対に許してはなりません」「また、日本労働運動を『一億総活躍社会』なぞと言って戦争を支える労働運動、産業報国会型『労働運動』へと一挙に転落させようとしています」「『残業代ゼロ化』や『解雇自由化』、消費税増税のうえに社会保障をバッサリと切り捨て、労働者人民に窮乏生活を押し付ける安倍政府を打倒するしか労働者人民の生きる道はありません」「『ヘイト・スピーチ』を繰り返し、反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)―反共・排外主義を煽動する『在特会』を許さず、天皇主義右翼ファシスト撃滅戦を闘いぬいてきた山谷の仲間たちとともに闘いぬいていきます」「『反戦・反失業』をかかげて闘いぬく寄せ場の仲間と連帯して闘いぬくことを表明して連帯のあいさつとします」。神奈川県地域連合労働組合は、「私たちは寄せ場労働運動の『黙って野垂れ死ぬな』『生きてやり返せ』『やられたらやり返せ』という、鋭く、また労働者として当たり前の闘いに共感し、労働組合を結成し、闘ってきました」「せまりくる朝鮮反革命戦争、労働者の戦争動員の攻撃を粉砕する闘いを、安倍政府打倒の闘いへと爆発させていこうではありませんか」。全国学生社会思想研究会連合は、「安倍政府の朝鮮反革命戦争とファシズムへの突撃が熾烈を極めています。参院選の後にも改憲攻撃に打って出ようとしています」「このような中で、労働者と学生が共にスクラムを組み、安倍政府を打倒し、日帝国家権力を解体する闘いを作り上げていかねばなりません」「『非正規雇用』が拡大し、格差社会が進行する中にあって、学生のあいだでも『ブラック・バイト』なるものが強制され、矛盾が強まっています」「こうした矛盾を突き破る闘いは、労働者と共に闘うことによってはじめて勝利の展望が見えてくると思います」「『SEALDs』なる秩序派学生運動が登場していますが、自分たちの利害だけを押し出し、『専守防衛の自衛隊、民主警察を守れ」という内容は、改憲攻撃に飲み込まれかねない内容です」「『SEALDs』は、労働運動の現場に立つこともなく、ただ『民主主義を守れ』『今の暮らしを守れ』と言うばかりですが、労働者階級には守るべき暮らしなぞありません」「6月安保闘争、10月反帝―国際連帯闘争を初めとした数々の闘いを皆さんと闘いぬいてきました」「この闘いを強化し、安倍政府打倒・日帝国家権力打倒の闘いとして爆発させようではありませんか」。
東京・山日労の委員長が闘いの基調を提起する。「山谷―全国寄せ場は、天皇主義右翼ファシスト、ヤクザの暴力に反撃し、労働者の闘いと団結を実力で防衛してきた拠点だ。時代は、まさに『戦争と革命の時代』に突入した。この情勢の中で、右翼ファシストどもがうごめいている。俺たちの仲間である佐藤さん・山岡さんの命が右翼ファシストによって奪われたが、この痛苦な敗北を二度と繰り返してはならない。山谷―全国寄せ場から打って出て、ファシズムへの突進を許さず、右翼ファシスト撃滅戦に決起しよう」「大阪・釜ヶ崎での『西成特区構想』にもとづく『センター縮小・移転』計画や、『2020年東京オリンピック』を見据えた東京・山谷の『再開発』という寄せ場解体攻撃を粉砕し、『反戦・反失業』の闘いの前進をかちとろう」。
「報復貫徹!」「金町一家解体!」のデモが山谷一帯を席捲
集会の最後は、全国の寄せ場からの決意表明だ。まず東京・山日労の仲間は、「玉姫公園を拠点にした8日間の越年・越冬闘争をやりぬいた労働者の団結で2016年の『反戦・仕事よこせ』の闘いをやりぬく決意です」「安倍による『戦争法』の制定と連動して、右翼ファシストが労働者の闘いと団結をつぶし、労働者を戦争に動員するためにうごめいていますが、佐藤さん、山岡さんが闘いの途中で命を奪われた無念さをわれわれ一人ひとりのものとして金町一家解体の闘いをやりぬきます」。次に「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」が、「釜ヶ崎では、西成市民館での越冬闘争にむけた上映集会を行ない、12月29日から1月3日までの人民パトロールを貫徹しました」「寄せ場では凄まじいアブレ状況が続いているが、大手ゼネコンは過去最高の利益を上げると報道されている」「寄せ場・日雇い労働者をアブレ地獄―野垂れ死にに追い込んで資本が肥え太っている」「大阪市は、越年対策事業としての南港の臨時宿泊所を閉鎖し、新たなシェルターと三徳寮(ケアセンター)に451人を入所させている」「昨年より30人増えているが、これは生活保護への締め付けが強められている結果だと思われる」「人民パトロールでは、『行政の世話にはならない』と、臨時宿泊所を拒否して野宿で年を越す百数十人と出会った」「仲間を虐殺されて、報復しなければ、闘いは敗北する」「俺たちは、『やられたらやり返せ』の闘いを闘っていく。明日は、高浜原発再稼働阻止の現地闘争を闘う」。最後に、福日労が、「福岡では反原発を闘う人や、『戦争法』反対を闘う人など、多くの人々の支援を受けて3日間の越年・越冬闘争をやりきりました」「『やられたらやり返せ』というスローガンを実際の闘いでやりきらねばならない」「福岡では、1月28日の市役所デモで2016年の闘いを始める。右翼ファシストを許さず、2016年の『反戦・反失業』の闘いを爆発させよう」。
集会を終え、全国の寄せ場労働者は、金町一家の事務所、金町一家とツルむ浅草警察―マンモス交番に向けたデモに出発する。明治通りにデモ隊が進むと、金町一家を防衛するために機動隊が露骨な規制をかけてくる。デモ隊は、機動隊の阻止線によって守られた金町一家の事務所に対して、「佐藤さん・山岡さん虐殺に報復するぞ!」「金町一家を解体するぞ!」と、怒りのシュプレヒコールを叩きつける。泪橋交差点を「山谷通り」に左折した部隊は、マンモス交番前では「金町とツルむマンモス交番を許さんぞ!」とシュプレヒコールを叩きつける。そして、デモ終了地点の玉姫公園に近づくと、スクラムを組み直し、「ワッショイ」の掛け声とともに密集し、公園入口で規制線を張る機動隊に肉迫する戦闘的なデモをやりぬいた。その後、集会とデモをやりぬいた労働者たちは、清川区民館に場所を移し、各寄せ場での越冬闘争の報告を共有し、交流会を持ち、2016年全国寄せ場春闘集中行動の勝利を誓いあい、この日の闘いを締めくくった。