1.11 高浜原発再稼働阻止現地闘争

高浜原発のゲート前で「再稼働阻止」シュプレヒコール
高浜原発のゲート前で「再稼働阻止」シュプレヒコール

1・11

高浜原発再稼働阻止現地闘争

 

反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会

 

高浜原発ゲートへの実力デモを闘いぬく

 

 1月11日、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は、関西電力・高浜原発再稼働実力阻止を掲げ、高浜現地闘争に起ち上がった。

 午前9時、関西電力・高浜原発直近の福井県高浜町音海地区にある音海郵便局前路上に布陣した「釜ヶ崎労働者の会」の仲間達は、デモ出発に向けた準備をテキパキと進める。

 午前9時30分、デモ出発に先立って基調が提起される。「昨年、2015年12月24日、福井地裁裁判長・林は、『原子力規制委員会の判断に不合理な点はなく、周辺住民の人格権が侵害される具体的な危険性はない』なぞとして、『関西電力・高浜原発運転差止仮処分決定』を取り消す不当決定を行なった。この不当決定の翌日の12月25日から、関西電力は、高浜原発3号機(福井県高浜町)にプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料24体を含む157体の核燃料の装塡を開始し、12月28日に燃料装塡完了を発表した。関西電力は、4号機再稼働でもMOX燃料を使うとしている。そして、年明けの今年1月28日~1月30日にも3号機を再稼働させ、2月下旬には4号機を再稼働させようとしている。高浜原発3、4号機の再稼働を現地実力闘争の大爆発で阻止しよう」「安倍政府がここまで原発再稼働にこだわるのは、核武装が目的だからだ。『核燃料サイクル』計画を粉砕しよう。『プルサーマル』発電を許してはならない」「原発再稼働阻止の現地闘争を闘う意義は、労働者人民の実力阻止闘争を組織化し、地元住民の闘いへの決起を組織化することにある。同時に、原発労働者みずからが再稼働阻止のストライキに決起することを呼びかけ、組織化することにある。すべての原発の廃止をかちとろう。2013年6・27MOX燃料搬入阻止をここ高浜現地で闘いぬいた地平を引き継ぎ、現地実力闘争の大爆発で高浜原発再稼働を阻止していこう」と現地闘争を闘う意義が鮮明に提起された。

 シュプレヒコールをあげ、いよいよ高浜原発ゲートに向けたデモに出発だ。

 高浜町音海地区では現在、「原発災害制圧道路等整備工事」が交付金事業として行なわれており、トンネル工事での発破作業で出た土砂を運ぶ大型ダンプがひっきりなしに通行している。「釜ヶ崎労働者の会」の仲間達は、旗ザオを手に「再稼働阻止」「核武装粉砕」「政府打倒」のコールで一路、高浜原発ゲートに向けて進撃する。再稼働に向けた作業を強行する関西電力に対し、「3、4号機の再稼働を許さないぞ」「被曝労働の押しつけを許さないぞ」と怒りのシュプレヒコールを叩きつける。デモ終着地のゲート前に到着し、眼前の高浜原発3、4号機建屋に向け、再度怒りのシュプレヒコールを叩きつけ、この日の現地闘争を終えていった。

 

高浜原発3、4号機の再稼働を阻止しよう

 

 2015年12月19日に福井県原子力安全専門委員会(委員長:福井大名誉教授・中川英之)が、「工学的な安全性が向上しており、必要な対策は確保できている」とする報告書を福井県知事・西川に提出し、12月22日に福井県知事・西川が、再稼働への同意を表明した。また、12月18日、原子力防災会議(議長:首相・安倍)は、高浜原発から半径30キロ圏内にある周辺三自治体(福井県・滋賀県・京都府)の避難計画を了承した。

 このような高浜原発再稼働に向けた出来レースが繰り広げられたうえで、12月24日、福井地裁裁判長・林は、「関西電力・高浜原発運転差止仮処分決定」を取り消す不当決定を行なったのだ。しかも、仮処分取り消し翌日の12月25日から、関西電力は、高浜原発3号機(福井県高浜町)への核燃料装塡を開始している。まったくもって、最初から再稼働ありきの連係プレイというほかない。

 関西電力は、高浜原発3号機に核燃料の装塡を行ない、これにつづいて、1月11日から1月13日にかけ、高浜原発3、4号機で「重大事故想定訓練」を行なっている。「原子力規制委員会」の「新規制基準」では、停止中の原発再稼働の事前の「重大事故想定訓練義務づけ」がうたわれている。

 高浜原発再稼働に向けた動きでもう一つみておかなければならないのは、「福島第一原発事故」後、中止されていた「プルサーマル」計画が強行されようとしていることだ。破綻に破綻を重ねる「核燃料サイクル」計画の「切り札」として国内初の「フルMOX炉」の建設が進められているJパワー・大間原発(青森県)とあわせて、高浜原発での「プルサーマル」発電なぞ断じて許すわけにはいかない。「プルサーマル」計画とは、ウランにプルトニウムを混ぜたMOX燃料を使って既存の商用原発で発電を行なうというものだ。すでに、日帝は、原爆数千発分ものプルトニウム47・8トンをため込んでいる。日帝の核武装の野望を押し隠すプルトニウムの「平和利用」というアリバイ作りのために、「プルサーマル」計画が強行されてきたのだ。日帝は、2009年12月に、九州電力・玄海原発で「プルサーマル」発電を開始した。「福島第一原発事故」後、「プルサーマル」計画は中止されたが、関西電力・高浜原発再稼働で「プルサーマル」計画が再開されようとしているのだ。既存の商用原発でMOX燃料を使う「プルサーマル」計画は、原爆の材料であるプルトニウム使用によって、まさに「石油ストーブでガソリンを燃やすに等しい無謀な計画」(京大原子炉実験所元助教・小出裕章氏)との指摘があるほど、危険極まりないものなのである。