3・27 沖縄で日雇い春闘討論集会

3・27 沖縄で日雇い春闘討論集会を開催

 

沖縄・首里日雇労働組合

 

 3月27日、那覇市内の市民会場において、「沖縄・日雇い春闘討論集会」が、沖縄・首里日雇労働組合の主催で開催された。

 開始時刻の12時半を前に、首里の寄せ場をはじめ、那覇市内の各地から日雇いの仲間たちが集まり、席を埋め尽くす。会場は、開始前から熱気に包まれる。

 執行部のあいさつで、集会が開始される。まずは、「日雇い労働者をとりまく労働情勢」の提起だ。日雇い労働者は、社会の最底辺での労働と生活を強いられてきたが、今や安倍政府が進める「労働規制の緩和」によって、全労働者の間に低賃金、長時間労働、不安定就労が拡大・蔓延していること、日雇い・寄せ場労働運動こそが全労働者の先頭で闘うべき時が来ていること、そのために全国寄せ場交流会が3月28日、対厚生労働省団交、日本経団連・日建連追及行動を準備していることなどが報告された。

 さらに提起は、「沖縄の貧困」問題に進む。沖縄の最低賃金は、2014年で693円(全国平均798円)、完全失業率は、2015年度で5・4パーセント(全国平均3・6パーセント)、「非正規」率は、2012年で44・5パーセント(全国平均38・2パーセント)、「ワーキング・プア」率 は、2012年で25・9パーセント(全国平均9・7パーセント)、貧困率は、2012年で34・8パーセント(全国平均18・3パーセント)。どの数値をとっても、ダントツの「全国ワースト・ワン」の状況だ。「これが、『オール沖縄』の影で進んでいることだ。『沖縄の貧困』とは、沖縄の労働者が置かれた過酷な労働条件の問題であり、根本的には基地に占領され、圧迫された経済構造の問題だ。貧困問題と基地問題とは一つの問題の裏表だ」という提起に、全員が熱心に聞き入る。

 続いては、「日雇い労働者にとっての緊急の課題」として、日雇労働求職者給付金(日雇雇用保険)制度、建設業退職金共済(建退共)制度の問題についての提起だ。沖縄では、これらの制度がほとんど普及しておらず、適用が極めて限られているため、日雇い労働者の失業・退職が、即、飢えと野宿につながっているのだ。「日雇雇用保険制度、建退共制度の適用拡大を、厚生労働省の出先機関である沖縄労働局に強く迫っていこう。併せて、失業に苦しむ日雇い・野宿の労働者のための公的就労対策事業の実施を求めて行動しよう」と提起された。

 次は、全体討論だ。参加者からは、「日雇雇用保険制度も建退共制度も、聞いたことがない」、「大阪へ仕事に出た時に、労働者から『白手帳』を見せてもらったことがある。沖縄では持っている人に出会ったことがない」、「沖縄労働局が仕事をサボっているのか」、「制度加入の問題にしても、賃上げにしても、残業代にしても、一人ではなかなか業者に強く言えない。言った途端にクビになる。『お前の替わりはいくらでもいる』と言われる」、「だからこそ、労働組合が必要だ。団結して闘うことが必要だ」と、白熱した議論が展開される。

 最後に、「4月以降の取り組みの方針」が執行部から提起された。「仕事寄こせの闘い、野垂れ死にの強制を許さない闘い」として、沖縄労働局に対する日雇雇用保険制度、建退共制度の実施状況に関する「質問書案」、沖縄「県」と那覇市に対する公的就労対策事業の実施を求める「要求書案」が紹介される。これら文書の提出を突破口に、沖縄労働局、沖縄「県」、那覇市に対する追及行動をやりぬいていくこと、また、首里の寄せ場、与儀公園での炊き出しをやりぬいていくことなどが提起された。さらに、「反戦の闘い」として、「名護新基地建設を阻止するために、現地行動を強化しよう」、「4・28沖縄人民解放闘争に取り組もう」という提起も行なわれた。

 全員で「団結ガンバロー」を行ない、集会を終えていった。