4・19 沖縄で対行政一日行動

沖縄労働局を追及する闘いに起ち上がった沖日労の労働者
沖縄労働局を追及する闘いに起ち上がった沖日労の労働者

4・19 沖縄で対行政一日行動

 

沖縄・首里日雇労働組合

 

沖縄労働局、沖縄「県」、那覇市に申し入れ行動

 

 4月19日、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)は、対行政一日行動に取り組んだ。沖縄労働局、沖縄「県」、那覇市に対する申し入れ行動だ。

 首里の寄せ場には仕事がない。朝6時前から立っても、求人に来る業者はほんのわずかで、ほとんどの労働者が慢性的な失業状態を余儀なくされている。その結果、かつては、100人近くの労働者が集まってきていたにもかかわらず、今では、10人ほどが立つだけという状態になってしまった。失業は深刻化しており、飢えと野宿の日々を余儀なくされる仲間も少なくない。

 しかも、こうした日雇い労働者の足元を見て、那覇市内の公園などでは、劣悪な条件で求人活動を行なう手配師が暗躍している。「福島での除染の仕事」など、「原発事故処理」関連作業の求人まで行なわれている。「仕事寄こせ」の闘いが今ほど求められている時はない。

 一方、失業した日雇い労働者に対しては、本来、「日雇労働求職者給付金制度(日雇雇用保険制度)」が、退職した日雇い労働者に対しては、「建設業退職金共済制度(建退共制度)」があり、それらが日雇い労働者の不安定就労と生活困窮の防波堤としての役割を果たしてきたのだが、ここ沖縄では、それらの制度が有効に機能しているとは到底言えない実態がある。加入している業者は、ほんのわずかだ。そうした制度の存在自体を知らされていない日雇い労働者が、ほとんどだ。すべては、沖縄労働局の怠慢による。

 こうした事態を打開するため、対行政行動は、取り組まれた。3月末に、沖日労が開催した「日雇い春闘討論集会」での論議と決定に基づく行動だ。

 

「日雇雇用保険制度」「建退共制度」について申し入れ

 

 午後1時、市内の新都心公園に集合した沖日労の仲間たちは、さっそく沖縄労働局に押しかける。労働局前に陣取り、代表4人が質問書を携えて、職業安定部・職業安定課に向かう。質問書は、「日雇雇用保険制度」について、「那覇市及び沖縄県における、当制度への加入の対象となる業者の総数と、現に当制度に加入している業者の実数」、「那覇市及び沖縄県における、当制度の加入対象となるべき日雇い労働者の総数と、現に当制度に加入している日雇い労働者(日雇労働被保険者)の実数」、「前者と後者との比率を、全国と比較する資料」、「対象となる業者に対して、当制度に加入させるために労働局が行なってきた取り組みの内容、及び近年におけるその実績」などの提示を求めるものだ。併せて、「建退共制度」の普及実績などの提示も求めている。職業安定課の役人2人とは、約30分間の話し合いになった。質問書の趣旨を説明し、資料の提示を求める仲間に対して、職業安定課は、「そういう資料があるのかどうか分からない」という対応であった。基礎中の基礎を質問しているだけなのに、それが「分からない」というのは、日雇い労働者とその「職業安定対策」についての労働局の無関心ぶりを示すものだ。「連休明けに回答する」という返答を受けて、仲間たちは引き上げた。沖縄における「日雇雇用保険制度」の適用は、沖日労の大先輩、故・同志高山が手がけた課題だ。同志・高山の遺志を引き継ぐ闘いだ。その実態を示す資料を労働局に出させ、それをもとに、今後、さらに、労働局を追及していくことを全体で確認した。

 

「公的就労対策事業」実施について申し入れ

 

 次は、県庁前に移動して、「県」知事・翁長と「県」商工労働部・雇用政策課に対する申し入れだ。申し入れ書は、日雇い労働者の失業状態の打開のために、那覇市との共同事業で「公的就労対策事業」を実施するよう求めるものだ。この申し入れには、雇用政策課・雇用企画班に加えて、労働政策課の役人が対応し、約30分間の話し合いとなったが、「こういう申し入れは、どこの課が担当になるのか、まだよく分からない」という対応であった。「県」の「雇用政策」にも、「労働政策」にも、日雇い労働者に対する政策はまったく含まれていないことを示すものだ。

 続いて、那覇市長・城間と市・経済観光部・商工農水課に対する申し入れだ。同課の産業政策グループ3人が対応に出て、ここでも沖日労の代表団との間で、約30分間の話し合いとなった。「県」と同様、対応は丁寧だが、日雇い労働者のことは何も知らない。日雇い労働者がどんな状況に置かれ、どのような政策が必要なのか、これまでに一度も考えたことがないようだ。「公的就労対策事業」の必要性を訴え、検討を申し入れて、話し合いを終えた。

 沖日労は、名護新基地建設阻止をはじめとする反戦の闘いの先頭に起つとともに、反失業ー野垂れ死に攻撃粉砕の闘いを全力で推し進めていく。今回の取り組みは、行政を追及していく第一弾だ。これからが本番だ。月に2回、第2と第4の土曜日に、与儀公園での炊き出しにも取り組んでいる。炊き出しには、約100人の日雇い・野宿の労働者、貧困に苦しむ近隣住民が並ぶ、そこでの粘り強い呼びかけをもって、「反戦・仕事よこせ」の闘いを強力に組織していく決意だ。