乾坤一擲(けんこんいってき)
安倍政府は、9月26日召集の臨時国会で「共謀罪」新設法案を上程せず、「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」承認案や第二次補正予算の成立を優先させると発表している。だが、これで安倍政府が「安保法制関連法」成立を突破口とした戦時国家体制形成攻撃のスピードを緩めたとするのは誤りだ。▼安倍は、衆・参の憲法審査会に翼賛野党を引き込み、改憲条項の確定作業に入らせ、〝悲願〟とする天皇の元首化、自衛隊の国防軍化を核心とする改憲攻撃を加速させようとしている。さらに、戦時国家にとって不可欠なものとして「産業報国会」型労働運動の育成にむけた労働法制の大改悪を狙っている。▼参院選後の改造内閣で「働き方改革」を「最大のチャレンジ」と言い、「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金の実現」などを掲げているが、臨時国会で真っ先にやろうとしているのは、継続審議となっている「残業代ゼロ化」にむけた「高度プロフェッショナル制度」(ホワイトカラー・エグゼンプション)導入、「裁量労働」の大幅拡大を内容とする「労働基準法」改悪案の成立強行だ。▼「長時間労働の是正」とは、時間外・休日労働に関する労使協定である「三六(サブロク)協定」の運用改悪で長時間労働を強いることであり、「同一労働同一賃金」は、すべての労働者の賃金を「非正規雇用」労働者の低賃金並みに引き下げることだ。▼「連合」会長・神津は、安倍が議長となる「働き方改革実現会議」に参画し、資本や御用学者とともに攻撃に加担している。全労交の躍進で戦時国家体制形成にむけた労働法制改悪を粉砕しよう。(木村)