乾坤一擲

乾坤一擲(けんこんいってき)

 

 沖縄・高江でのヘリパッド建設阻止の闘いの現場では、「沖縄は、憲法番外地か」「安倍のやりたい放題には、絶対させない」と、「法治国家」の体裁さえかなぐり捨てた安倍の無法、強権発動に怒りが渦巻いている。▼その無法ぶりは、参院選直後から高江に800人の機動隊を配備して戒厳令のような状態にし、阻止闘争を闘う労働者・住民に激しい暴力を加え、法的根拠の不明な道路封鎖、反対運動拠点となっているテントの撤去、デッチ上げ逮捕、警察車両による建設作業員の輸送、空自ヘリを使っての重機の「輸送作戦」、「環境保護」を口にしながらの原生林の野放図な伐採と、数え上げればキリがない。▼名護新基地建設をめぐっても、安倍の強権発動は露骨だ。前知事・仲井真による「埋立承認」を取り消した現知事・翁長を安倍政府が訴えた「違法確認訴訟」で、福岡高裁那覇支部は、「海兵隊の県外移転はできない」「普天間の被害除去には新基地建設しかない」「(新基地建設は)、沖縄の負担軽減になり、民意に反しない」と、安倍の主張をそっくり取り入れた判決を下した。判決を書いた那覇支部長・多見谷は、安倍が「違法確認訴訟」を見すえ、昨年10月に時期はずれの人事異動で送り込んだ輩だ。▼高江、辺野古をめぐって安倍がやっている不法ぶりは、「緊急事態条項」の導入を突破口にした改憲攻撃の先取りにほかならない。「一億総活躍」「働き方改革」と称した戦争翼賛の労働運動育成攻撃ともども全労交の躍進で打ち砕こう。(木村)