10・20都教委包囲要請行動

10・20都教委包囲要請行動

 

 10月20日、午後3時半から「都教委包囲・首都圏ネット(包囲ネット)」の主催による、東京都教育委員会への包囲要請行動が闘われ、都庁第一庁舎前には、約40人が結集した。

 この日の取り組みは、午後4時から5時まで、都庁第二庁舎で要請行動を行ない、その前段に集会、要請行動終了後に報告集会というものだ。

 要請行動に先だつ集会は、シュプレヒコールで始まった。「『日の丸・君が代』の強制反対!」「10・23通達を撤回しろ!」「不当処分を撤回しろ!」「道徳の教科化反対!」「国威発揚の『オリンピック教育』反対!」「教育の軍事化を許さないぞ!」「若者を戦場に送らせないぞ!」。

 主催者である「包囲ネット」からのあいさつが行なわれる。「東京都が、多数の処分者を出し、教育の中身を思うままに変えようとする、その出発点が2003年『10・23通達』だった。『10・23通達』は、『日の丸・君が代』の強制だけの問題ではなく教育全般に及ぶだろうと、私たちは直感したが、その通りになりつつある。だからこそ、改めて『10・23通達』撤回を強く要請する」「〝時間がたてば忘れるだろう、そのうち消えてなくなるだろう〟と都教委は甘く見ていたかもしれないが、10年たっても、100年たっても悪いことは悪い。今日は、都教委に、思いの丈をブチまけていく」。「『日本会議』の小池が都知事になり、オリンピックの無駄遣いを問題に人気取りをやっている。小池の今の顔は本当の顔ではない。『悪魔は天使の顔をしてやって来る』、この小池の本質を見極め対決していく」。「オリンピックも、教育現場に『国威発揚』をもちこんでいる。国が『国威発揚』のためにオリンピックを利用するのはもってのほかだ。オリンピックを利用したナショナリズムの強化を許してはならない」。「教育を握る者は国家を握るということで、都教委は、やってきている。これを許さず闘おう」。

 第一庁舎前での集会終えて、約30人が第二庁舎での要請行動へと向かう。都庁舎の入口では、『テロ警備』と称して警備が強化されている。入場者に一人ひとり名前を書かせるが、これを撥ね退け、要請行動の代表者のみが記入して会場にはいる。

 一時間強にわたる要請行動を終えて、全体が第一庁舎前に集まり、報告集会が行なわれた。要請行動参加者の一人は、「要請は、4団体と一個人の5本で行なったが、都教委の担当者は、黙りこくって何も言わない。顔には〝私は関係ありません〟と書いてある。都教委行政を開かせなければならないと改めて感じた。厳しくはあるけれど、最後の勝利を信じて頑張る」。もう一人の参加者は、「実務出版教科書(注)の、〝都教委が公務員に『日の丸』『君が代』を強制している〟という記述を都教委がイヤがっているのがハッキリした。道徳教育では、生命の尊重ではなく、『愛国心』を教える、〝おくに〟のために命を捨てるという自己犠牲を教える。こんな都教委の間違った道徳教育を改めさせなければならない」と訴えた。最後に、司会者が「まだまだ、教育現場は厳しい、これからもご支援をお願いします」と結んで、都教委包囲要請行動を締めくくった。 

 都庁第一庁舎前での報告集会の最中、知事・小池が、公用か私用か知らぬが、移動しようとして都庁第一庁舎前に車をつけたが、都教委と知事・小池を弾劾するシュプレヒコールと怒りの報告の前に、車に乗り込むことができず、玄関内のマスコミの前で、足踏みせざるを得なかった。

 闘う教育労働者と連帯し、「10・23通達」によって「日の丸」「君が代」を強制する都教委と知事・小池をさらに追及して闘わなければならない。

(注)実務出版の教科書「高校日本史B」は、「日の丸」「君が代」について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述している。これに対し、都教委は、「国旗掲揚と国歌斉唱は教員の責務という都教委の考え方と異なる」として、2013年から4年連続で「使用は適切でない」との通知を都立高校に出している。

                        〈神奈川県地域連合労働組合〉