「乾坤一擲」(けんこんいってき)

乾坤一擲(けんこんいってき)

 

 安倍政府は、3月21日、「共謀罪」導入のための「組織犯罪処罰法」改悪案を閣議決定し、国会に上程した。「共謀罪」は、小泉政府時代に3回にわたって関連法案が上程されたが、労働者人民の激しい批判と反対によっていずれも廃案に追い込まれてきた。▼今回、安倍は、「共謀罪」という名称を「テロ等準備罪」に変え、過去の法案で「団体」としていた適対象を「組織的犯罪集団」とし、計画を話し合うだけでなく、「犯罪実行の準備行為」を構成要件に加え、「対象犯罪」を政府原案の676から277に減らすとしている。▼安倍は、「共謀罪」導入を「『2020年東京オリンピック・パラリンピック』を主催する国家としてテロ対策の法整備は必要だ」と正当化している。あたかも「テロ対策に限定したもの」と思わせ、反対運動を分断し、抑え込み、国会を強行突破することを狙っている。▼尖端的闘いにかけられる弾圧は、即、全体に波及するものである。そうしなければ、尖端的闘いにかけた弾圧が効果薄いものとならざるをえないからである。要するに安倍は、「テロ等準備罪」を振りかざすことで、「人民の海」を干しあげてしまおうとしているのだ。▼「連合」は、事務局長談話で「テロ対策の重要性が高まる中、国民生活の安全・安心の確保に向けた法整備は必要」なぞと言い、早くも「共謀罪」導入を容認する姿勢をとっている。「テロ対策なら容認」する「反対運動」は、早晩、安倍に取り込まれる。これを許さず闘おう。                              (木村)