2・5
「日の丸・君が代」強制反対!
10・23通達撤廃! 総決起集会
「平和の種まきを続けなければならない」
2月5日、午後1時30分から「都教委包囲・首都圏ネット(包囲ネット)」が主催する「『君が代・日の丸』強制反対!10・23通達撤廃! 2・5総決起集会」が千代田区飯田橋の「東京しごとセンター」講堂で開催された。この集会には現役・OBの教育労働者をはじめ約120人の労働者人民が参加した。
集会は、「包囲ネット」の主催者あいさつに続いて、学校現場、停職処分撤回闘争、オリンピック教育反対の取り組みの報告が行なわれた。
「日の丸・君が代」被処分者の現職高校教員・Kさんは、「私は、2004年の入学式で不起立を闘い、10年間担任から外された。2013年に担任になって不起立を闘い、今、四次訴訟の原告として闘っている。法廷闘争ををやっていることを知った生徒は、『先生、勇気があるね』と言って励ましてくれている。昨年は、校長から起立を頼まれたが、信念を曲げたらこれまで生徒に言ってきたことが嘘になると思った。『10・23通達』以後、思考停止の教員が多くなった。そういう教員の現状が戦争を可能にしていくと思う。平和の種まきを続けなければならないと考えている」。
昨年5月31日に最高裁が東京都の上告を棄却し、2007年「君が代」不起立処分の取り消しと損害賠償を命じる2015年5月28日の東京高裁判決が確定した根津公子さんは、「東京高裁判決が『自己の歴史観や世界観を含む思想により忠実であろうとする教員にとっては、自らの思想や信条を捨てるか、それとも教職員としての身分を捨てるかの二者択一の選択を迫られることとなり、…日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の自由に対する実質的な侵害につながる』と判示したことが画期的な内容」。
一方的なオリンピック教育に反対し、「オリンピックってなんだ」というビラまきを行なっている「ビラまき交流実行委員会」のKさんは、「卒業式、入学式でのビラまきを続けてきて、生徒も親も無表情になってきていると感じる。『安全のために、知らない人とは関わるな』という姿勢が強くなっている。『共謀罪』がオリンピックを口実にして作られようとしている」。
「国策・国威発揚には、いつも子供が狙われます」
続いて、「さまざまな闘いの現場からの報告」が、練馬駐屯地、朝霞駐屯地での監視活動を行なっている練馬平和委員会のS氏、「破防法・組対法に反対する共同行動」のI氏、「東京オリンピックおことわり宣言」のM氏、天皇制反対デモへの右翼の敵対と闘うI氏、「心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな! ネットワーク」のY氏から行なわれた。
集会の後半は、元教員の北村小夜さんが、「改めていま『教室から戦争がはじまる」と題した講演を行なった。北村さんは、「今日の朝まで新潟で開かれている日教組の教研集会に行っていましたが、右翼が来ていませんでした。街宣車が一台見えましたが、『3台くらい来たらしい』ということでした。もう、教研集会は、右翼も相手にしないものになっています」という報告から講演を開始した。北村さんは、「今は、私が育った時代と同じような状況になっている。私が子どもの頃は、大正デモクラシーの雰囲気が残っていたが、子どもにしっかり教えなかったために、私は『軍国少女』になっていった。私は、ひたすら皇民教育を受けるうちに、戦争は天皇の宣戦布告に始まり講和条約締結で終わること、戦争には日本が勝ち領土が広まることと覚えました。そして『天皇陛下の為に命を投げ出すこと』こそ最高の善だと思うようになりました。現代の『嘘がまかり通る時代』を糾すには事実を示し続けるしかありません。教育の役割が重大です。国策・国威発揚にはいつも子どもが狙われます。子どもたちはすでに前に進んでいます。大人が嘘の何倍も正しいことを言わなければならない」と講演を結んだ。
「各地からの報告」では、大阪からかけつけた「『日の丸・君が代』強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク」のYさん、Tさんが大阪での闘いの報告を行なった。大阪でもこの間、「君が代」不起立で戒告58人、減給3人が出ており、それに関して「研修」や「意向確認書」、「再任用拒否」問題が起きている。それらに対する裁判闘争、大衆行動、情報公開請求などの取り組みの報告が行なわれた。
集会決議が全体で確認され、行動提起として卒業式でのビラまきの呼びかけが行なわれ、「団結ガンバロー」で集会は締めくくられた。〈東京都地域連合労働組合〉