3月19日、午後1時より、東京・千駄ヶ谷区民会館において全国労働組合運動交流会(全労交)の「2017年春闘勝利総決起集会」が開催され、大成功がかちとられた。
全国から闘う労働組合・労働者が会場に結集し、司会が壇上に起ち開会宣言を発すると大声援と拍手が巻き起こり、会場は熱気に包まれる。会場を揺るがすシュプレヒコールが響き渡り、集会が始まった。
集会は、Ⅰ部で集会に参加できなかった仲間からの連帯メッセージ、基調提起、集会に結集した仲間からのあいさつ、休憩をはさんで、Ⅱ部で、韓国サンケン労組の解雇撤回にむけた日本遠征団を支援している「日韓民衆連帯全国ネットワーク」の尾澤孝司氏の講演と質疑応答を受け、「団結ガンバロー」で締めくくられた。
元郵政労働者・全労交呼びかけ人 吉田 明夫氏
春闘勝利総決起集会に結集した皆さん。私は、親の介護のために郵政職場を退職しましたが、心はいつも全労交とともにあります。
「日本郵政グループ労働組合(JP労組)」は、2017年春闘でベースアップに当たる「賃金改善分」として、「正社員」1人当たり平均で月約6000円、年間一時金は4・3ヵ月分を要求し、契約社員については時給を40円引き上げることを要求しました。昨年の春闘では、「郵政グループの利益の大半を占める金融二社の業績にマイナス金利政策が影響を与える」として、決定していた6000円の要求を見送っています。
しかし、JP労組は、2017年も3月16日、「ベースアップ見送り」「年間一時金4・0ヵ月分」で妥結しています。これで2年連続の「ベアゼロ」となったのです。「ベアゼロ」の理由は、「日銀のマイナス金利政策が響き、主力のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の業績が低迷している」とされています。ところが、日本郵政グループの「利益剰余金(内部留保)」は、2016年度3月期連結で3兆5259億円もあり、日本の上場企業の中で上から8番目の額です。また、日本郵政は、昨年12月に1株当たり25円の中間配当を出し、総額約1029億円を株主に還元しています。さらに、郵便局施設・設備の改修や郵便・物流ネットワーク再編などの設備投資に約4371億円を使っています。ベースアップに充てる資金がないということはありえません。
結局、JP労組が「株式上場を優先させる」という姿勢を取ってきたことが響いているのは明らかです。現場で働く労働者の生活よりも株主の顔色を窺わねばならなくなる「株式上場」を労働組合が優先したことがこの結果になっているのです。
自分が働く職場が株式上場することをまるで自慢するような姿勢は、労使協調路線の表れであり、恥ずべきことです。とりわけ、郵政職場が民営化される中で株式上場することは、職場の持つ公的な役割を無視し、利益優先となって行くことに通じるのは明らかであり、労働組合は反対すべきだったのです。
私自身の力不足で今日の結果になっているのですが、たとえ退職しても「正しいことは正しい、間違っていることは間違いだ」と言い続けなければならないと思っています。
労使協調の労働組合が日本の労働組合運動を押さえ込むことを許さず、闘う労働組合運動が拡大するように、集会に参加された皆さんが奮闘されることを期待し、私もやれることはやりぬきたいと思っています。
沖縄・首里日雇労働組合
春闘勝利総決起集会に結集されたすべての労働者の仲間たちに、沖縄・首里日雇労働組合より、連帯のメッセージを送ります。
沖縄では、名護新基地建設阻止の闘いが決戦局面を迎えています。政府―沖縄防衛局は2月6日、海上工事に踏み込みました。埋め立てに向けて、辺野古沖の海底ボーリング調査と、「汚濁防止膜」の設置作業に入ったのです。「汚濁防止膜」の設置について沖縄防衛局は、「埋め立てに伴う土砂の流出による海洋汚染を防ぐため」、「自然環境保護のため」と説明していますが、実際には、辺野古の海を破壊する本末転倒の途轍もない破壊行為に他なりません。「汚濁防止膜」は、埋め立て予定地の周辺4ヵ所に設置される計画ですが、これを固定するための「アンカー」として、最大で14四トンもある大型コンクリートブロックを、228個も海に投げ込むというのです。投下は、すでに連日にわたって強行されています。それは、海を破壊するだけではありません。「もう後戻りできないところまで工事は進んだ」ということを見せつけて、沖縄労働者人民の怒りと闘いまで破壊してしまおうというものです。
しかし、沖縄労働者人民の闘いは不屈です。「集中行動日」となっている水曜日と木曜日を中心に、連日にわたって現地に結集し、ゲート前で、海上で、熾烈な実力攻防をうちぬいています。沖日労も、頻繁に現地に通い、ともに闘いぬいています。現地集中と実力闘争こそ、勝利のカギです。沖日労は、この決戦を全力で闘います。
埋め立て工事が本格化すれば、当然のことながら、現場で大量の労働力が必要になってきます。そのためだと思われますが、那覇市内では、日雇い・野宿の労働者を新基地建設工事に動員しようという攻撃が、にわかに強まっています。3月に入って以降、手配師が「日当8000円で、20人を集めたい」だの、「那覇から辺野古に通うなら、車も貸す、ガソリン代も高速代も出す」だのと言って、公園などで活発にうごめいています。言うまでもなく、建設の現場作業への人材派遣業―「人夫出し」は違法なのですが、これまで「人夫出し」をやったこともないような、まったく「別業界」の業者までが、手配師となって労働者集めに回っています。安倍による工事加速の号令一下、大がかりな労働者動員の動きが始まっていると考えざるをえません。
日雇い労働者を工事に動員し、労働者人民の闘いに敵対させる。こんなことを断じて許すわけにはいきません。実際、沖日労の炊き出しに集まる日雇い労働者の中で、こんな手配に応じた者は一人もいません。誰もがキッパリと拒否しています。沖日労は、手配師の暗躍を断じて許さない闘いと、「すべての日雇いの仲間は、新基地建設工事を拒否せよ」という取り組みを、行政に対する「仕事寄こせ」の闘いとともに、強力に進めていく決意です。3月19日には、沖縄日雇い春闘討論集会を開催します。
すべての仲間たち。力を合わせて名護新基地建設を阻止しよう。辺野古現地に結集し、ともに闘いぬこう。反戦・反合・政府打倒春闘を爆発させよう。労働者階級の渾身の決起で、安倍極右政府を打倒しよう。